観光学部卒業生で大学院文学研究科文明学専攻研究生の二重作昌満さんが国際会議「ICICIC2021」でBest Presentation Awardを受賞

観光学部卒業後に大学院文学研究科文明学専攻(後期)を修了(博士<文学>を取得)し、現在は研究生の二重作昌満さん(指導教員=観光学部観光学科・田中伸彦教授)が、9月15日、16日に島根大学とオンラインで開催された国際会議「The 15th International Conference on Innovative Computing, Information and Control」(ICICIC2021)の「Environment and QOL」(環境とQOL)セッションで、Best Presentation Awardを受賞しました。ICICICは、情報処理に関する計算論と電子機器の制御などについて、最新の情報を共有することを目的に毎年実施されている国際会議です。同会議には2018年度から、人間のさまざまな活動を複合的視点からとらえ、その情報を分析することで環境問題とQOL維持の相互意地を検討する部会である「Environment and QOL」セッションが設けられており、本学から文明研究所や文学部、大学院文学研究科のプロジェクトとして二重作さんも含む多数の教員と大学院生らが参加しています。なお、本学の中嶋卓雄学長補佐が同セッション全体のチェアー(座長)を務めています。

二重作さんは、「Changing the form of leisure tourism under the COVID-19 pandemic:
The case of online events」のテーマで発表。観光学部や文学研究科で学び、映像という知的財産を用いるコンテンツツーリズムの一環として『特撮ツーリズム』や『アニメツーリズム』の歴史を調査してきた二重作さんは、新型コロナウイルス感染症拡大下におけるレジャー観光の形態変化の調査に取り組み、発表では感染防止策として急速に広まったオンラインイベントに着目。日本や海外諸国におけるオンラインイベントの構造や対面イベントとの併用のあり方を解説するとともに、オンラインイベントが台頭した結果、観光客が実際に現地に足を運ぶ機会が減少したため産業構造に変化が起きている点などを踏まえ、「今回の感染拡大でオンラインイベントは急速に発展し、新しい技術も取り入れられています。これらの技術は将来的にも残っていくと考えられますが、“参加する場所に縛られない”“近くから視聴できる”といった利点がある一方、“実際の雰囲気を感じられない”“アングルが限られ、自分が見たいと思う部分が見られない”などの不利益もあります」と指摘するとともに、「これらオンラインイベントの調査を続けることで、ポストコロナにおける新しい形の観光を確立できる可能性があります」とまとめました。

二重作さんは、「受賞は田中先生や平野葉一先生(文学部教授)の指導のおかげであり、大変光栄です。この分野の研究は一から始めて続けてきたもので、先行事例がなく大変な面もありますが、受賞をモチベーションにしてさらなる充実を図っていきます」と話しています。