農学部の授業を7月1日から熊本キャンパスで再開しました

熊本地震の影響で休講が続いていた農学部と大学院農学研究科の授業を、7月1日から熊本キャンパスで再開しました。今回の地震では、阿蘇キャンパスの1号館をはじめとした建物や敷地内の道路、インフラなどをはじめ、周辺の道路や下宿・アパートでも大きな被害が出ました。熊本キャンパスでの授業再開は、学生の住環境確保やキャンパスライフの一刻も早い再開を目指して決定したもので、当面2年間は熊本の教室を使う形での授業実施となります。なお、阿蘇キャンパスについては、学内外の専門家らによる地盤調査や建物の検査を進めており、調査結果を基に今後の対応を検討していきます。

農学部と農学研究科の再開後は、7月1日から8月17日までを春セメスターとして、各授業を1コマ135分で実施。原則として4月時点の時間割と同曜日、同時限で開講しますが、実験・実習科目の一部は開講日が変更される場合もあります。今年度の秋セメスターは当初の学年暦どおり、9月21日から来年1月27日までで、授業も通常どおり1コマ 90 分となる予定です。

授業再開前日の6月30日には、1、2年次生、3、4年次生と大学院生の2回に分けて授業再開ガイダンスを実施しました。どちらもまず、阿蘇教学課の村山敏久課長があいさつ。「農学部のある阿蘇キャンパスは甚大な被害を受け、農学部の3名の学生も志半ばで尊い命を落とされました。同じ東海大学農学部の同士として黙とうをささげ、ご冥福をお祈りしたいと思います」と呼びかけ、全員で黙とうしました。続いて、山田清志学長が登壇し、「いよいよ農学部の授業が再開できることとなりました。学生の皆さんはこの2カ月半、不安な日々を過ごされたことと思います。学長としてまずは皆さんにお詫びを申し上げたいと思います。明日からの授業は通常より密度が高く、大変なものになるかと思いますが、どうか頑張って勉強してください。明日からの授業を通じて、新しい農学部をつくるという気概を持って学習に向かってください」と語りかけました。

また、中嶋卓雄九州キャンパス長(学長補佐)は、「休講期間中も農学部生の多くが、全国各地で募金やボランティア活動などに取り組んでこられており、非常に誇りに思っています。熊本キャンパスでは5月16日から経営学部と基盤工学部の授業が再開されています。植物工場やアグリビジネスなど農学に関連する分野の教育研究も展開されていますので、多様性を生かして有意義な学生生活を送ってもらいたいと願っています」と語りました。また、荒木朋洋農学部長は阿蘇キャンパスの現状などについて説明するとともに、「熊本キャンパスという新しい環境に不安を感じる学生もいるかと思いますが、教室や実験室など学習環境はしっかりと確保できました。また、135分という長時間の授業となりますが、先生方も工夫して進めるよう準備しています。困ったことがあればすぐに相談してください。阿蘇キャンパスは学生、教職員の団結が強いことが特徴です。阿蘇魂を発揮して、気概を持って頑張っていきましょう」と激励の言葉を贈りました。

ガイダンスに出席した学生たちは、緊張した表情を見せながらも、約2カ月半ぶりとなった友人や教職員との再会に笑顔を見せていました。学生たちは、「休講期間中も友達と連絡はとっていましたが、やはり実際に会うと喜びが違います」「熊本キャンパスに移っても、農業を学びたいという思いは変わらないので頑張っていきたい」「7月から授業が再開して安心しています。授業時間の長さは気がかりですが、皆がつらい中でも頑張っています。勉強できることに感謝したい」と口々に語っていました。

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