小冊子『大学生のためのセクシャルマナー読本』を制作しました

東海大学ではこのほど、学生に性犯罪・性暴力の根絶に向けて意識を高めてもらうための小冊子『大学生のためのセクシャルマナー読本』(A5判20ページ)を制作しました。医学部医学科の渥美治世助教(基盤診療学系臨床検査学)が中心となって企画し、スチューデントアチーブメントセンター(旧・現代教養センター)が監修したものです。8000部印刷し、各キャンパスで開催した新入生ガイダンスで配布。2年次生以上や教職員には、学内サイト「キャンパスライフエンジン」にPDFを掲載して周知していく方針です。

性犯罪・性暴力が大きな社会問題となる中、文部科学省では2020年6月に、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」を決定。大学に対し、学生への啓発活動や相談窓口の整備・周知、担当者の研修の充実を図るよう求めています。性暴力の防止に関する調査研究を続けていた渥美助教はこうした背景を受けて、「大学生に対する性暴力予防教育プログラム」の開発を加速。本学の連合後援会研究助成金を獲得し、医学部をはじめ教養学部や理学部の教員、学生らの協力を得て、小冊子を制作しました。

小冊子では、「性的同意」「デートDV」「性暴力の種類」「第3者介入」などについて解説するとともに、友人や先輩後輩、交際相手らと性的に対等で健全な関係を築くためのポイントを、「セクシャルマナー」として紹介。各キャンパスの相談窓口をはじめ、各都道府県に設置されている「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」についても掲載しています。

渥美助教は、「性暴力の予防啓発と被害者支援を、“他人ごとではなく自分の問題”としてとらえ、その対策が人と人との円滑な交流に必要であることを、学生たちにしっかりと認識してもらうことが大切です。タイトルにはあえて“マナー”という言葉を使って柔らかいイメージにし、手に取った人が不快な思いをしないように本文の表現を工夫しました。医学部医学科と看護学科のガイダンスでは本冊子をもとに講演しましたが、そうした活動も全キャンパスに広げたいと考えています。今後は、教職員向けの啓発冊子を作成するとともに、学生の年次に応じたセクシャリティー教育計画の策定にも取り組みたい」と意欲を語ります。

制作を監修したスチューデントアチーブメントセンターの成川忠之ゼネラルマネジャーは、「本学では、各キャンパスにハラスメント防止人権委員会を設けるなど性犯罪・性暴力の防止に努めてきましたが、より強化するための取り組みを進めています。学生向け小冊子の作成はその第一弾。今後は、渥美助教を中心に教職員を対象とした冊子を制作し、研修会を実施して相談体制を充実させたい。さらに、学生会のリーダーらに対するワークショップを行うなど、より効果的な啓発活動を計画しています。性犯罪・性暴力の防止は本センターの重要なミッションの一つ。学生が伸び伸びと集い、学び、充実したキャンパスライフを送れるよう注力していきます」と話しています。