生物学部の河合研究室が「小さなちいさな哺乳類 トガリネズミ展」で研究成果を紹介しました

生物学部生物学科の河合久仁子教授の研究室と札幌市円山動物園、北海道大学低温科学研究所助教の大舘智志博士(東海大学生物学部非常勤講師)による研究グループが、11月30日から12月19日まで北海道大学総合博物館で開かれた「小さなちいさな哺乳類 トガリネズミ展」(北海道大学低温科学研究所・東海大学札幌キャンパス後援)で研究成果を紹介しました。同研究グループは今夏、環境省のレッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている「トウキョウトガリネズミ」のほか、「ヒメトガリネズミ」「エゾトガリネズミ」「オオアシトガリネズミ」の捕獲調査に取り組み、その後の飼育でヒメトガリネズミの出産・産仔を世界で初めて確認しています。今回で5回目となる本展示では、これまでの取り組みをまとめた映像やポスター、標本をはじめ、捕獲した個体の生体展示も実施。期間中は多くの市民が訪れ、好評につき予定より会期を1週間延長しました。

河合研究室からは、山方幸汰さん(4年次生)が卒業研究として取り組んでいるトガリネズミ4種の声に関する研究の紹介ポスターを展示。コウモリの音声分析技術を応用して明らかになってきた種によって異なる音声特徴をソナグラムで紹介しました。また、田中元晴さん(4年次生)がポスター用に書いたトガリネズミ4種のイラスト入り缶バッチがミュージアムショップで販売され、好評を得ています。大舘博士は、「トガリネズミ類は北海道に生息している動物ですが、その生態や行動は市民の人々にほとんど知られていません。広く知ってもらうために、生体展示と標本展示、研究成果の組み合わせは非常に有効な啓蒙活動だと考えられます」と話します。河合教授は、「研究成果と合わせて生体展示を行う博物館は非常に稀ですが、北海道大学総合博物館では毎年大勢の方にお越しいただき、楽しみにしている声も多いと聞いています。今後もこのような機会を通じて共同研究者として啓蒙活動や研究調査に取り組んでいきたい」と語っています。