「第53回海外研修航海出港式」を挙行しました

東海大学では2月21日に、静岡市・清水マリンビルで「第53回海外研修航海出港式」を挙行しました。1968年から実施している海外研修航海は、本学の海洋調査研修船「望星丸」(国際総トン数=2174トン)で世界各地を巡り、文化理解・環境問題・協調性の大切さなどを実践的に学ぶ独自の教育プログラムです。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、5年ぶりの海外航路での研修となる今年度は、清水港を出港後、父島(東京都小笠原村)、マジュロ(マーシャル諸島共和国)、ヤップ(ミクロネシア連邦)、宮古島(沖縄県宮古島市)に寄港し、各地のさまざまな文化に触れるフィールドワークなどを行うほか、洋上卒業式といった多彩な船内プログラムにも取り組みます。

今年度は91名の研修学生と、団役員、乗組員、海洋学部航海工学科航海学専攻の練習学生を合わせた総勢143名が参加。出港式では、松前義昭理事長・学長があいさつに立ち、自身が学生として、また団役員として参加した研修航海とその歴史を振り返り、「研修を終えると、全員が“この経験は他に代えがたい”と振り返ります。現代社会では、学生時代はもちろん、社会人になってからも船上で長い時間を過ごすような余裕は持てません。ぜひ、航海中には一見すると何も変わらない大海原の景色に小さな変化を見つけてください。美しい星空の下、広大な自然の中にポツンといる自分を感じてみるのもよいでしょう。航海中は楽しく、元気に、安全に、自分自身のためになる時間を過ごしてください」とメッセージを送りました。来賓祝辞では、ジョン・フリッツ駐日ミクロネシア連邦特命全権大使(本学客員教授)と難波喬司静岡市長が登壇。フリッツ大使は、ミクロネシア憲法前文にある「海は私たちを結びつけるものであって、隔てるものではない。島々は私たちを養い、育てて強くする」という言葉を紹介するとともに、「今回の航海では、柔軟で国際的な視野を養うとともに、多くの人々と積極的に交流して友情を育んでください」とエールを送りました。

続いて研修団宣誓として、団長の八木英一郎教授(経営学部)、望星丸の上河内信義船長、学生長の吉田真依さん(海洋学部4年次生)が登壇。吉田さんは、「記念すべき出港式を迎えられたのは、準備にご尽力いただいた学園関係者のみなさまや送り出してくれた家族がいるからこそ。感謝の思いを胸に、楽しく学び、成長した姿で清水港に戻ってきます」と宣誓しました。最後に、松前理事長が八木団長に団旗を授与すると、見守った学生や教職員、保護者から大きな拍手が送られました。

式典後、研修団は清水港日の出埠頭で望星丸に乗船。あいにくの雨の中となりましたが、見送る関係者と色とりどりの紙テープを投げ合い、笑顔で手を振って33日間の航海へと旅立ちました。