学生の自由な発想を応援する「工学部学生自主研究奨励」を実施しました

工学部では、学生が自身の設定した自由な課題に挑む「学生自主研究奨励」を9月から12月までの期間で実施しました。この取り組みは、自由な発想に基づく研究を応援し、課題解決力を磨く機会にしてもらおうと大山工学部長が立案し、2019年度から実施しているもので、今回はコロナ禍の不自由な状況にもかかわらず学生2名が参加。工学部動力機械工学科3年次生の雨宮駿さんが研究成果をまとめた報告書を提出しました。

雨宮さんは、「スターリングエンジンの可能性と熱源に関する研究」というテーマに挑戦。スターリングエンジンは、環境負荷が少ない次世代型エンジンとして注目を集めていますが、熱変換効率が悪く、出力が低いという欠点があります。その課題解決に向けて、同学科の長谷川真也准教授が手掛け温度差をエネルギーに変換できる「熱音響機関」に着目。スターリングエンジンと組み合わせて高出力化に取り組みました。雨宮さんは、製図の授業で習った知識を生かして設計図を描き、熱音響デバイスの教科書などを使って独学で研究。ホームセンターで購入できる部品で装置を作り、実験と考察を重ねました。

「大学入学当初から実験の授業を楽しみにしていたのですが、新型コロナウイルス感染症拡大に伴って遠隔授業となったことで、手を動かして実験することができなくなりとても残念に思っていました。そのさなかに、このプログラムを知り、『自ら手を動かして研究でき、大学生らしい時間を過ごせるまたとないチャンス』と思い即座に参加を決めました。図面を書いている時間も、装置を作っている時間もすべてが楽しく充実していましたし、座学だけでは身につかない知識の応用力や課題解決力も得られたと感じています。すでに長谷川先生の研究室に配属が決まっているので、今後は熱音響機関についてもっと深く研究し、エンジン全体についても幅広く学んでいきたいと思っています」と話しています。