若杉教授がパキスタンで行われた原子力安全リーダーシップスクールのファシリテーターを務めました

 工学部応用化学科の若杉圭一郎教授が昨年12月5日から9日まで、パキスタン・イスラマバードにあるパキスタン原子力規制庁で行われた原子力安全リーダーシップスクールで講師を務めました。本スクールは国際原子力機関(IAEA)が加盟国に対して行っている原子力安全に関する技術協力活動の一環で、過去には本学湘南キャンパスでも開催されたことがあります。今回はIAEAから若杉教授に協力依頼があり、ファシリテーターとして参加しました。

パキスタンの原子力関係者のうち中堅の技術者・研究者ら32名が参加し、原子力安全のためのリーダーシップとマネジメントに関する能力開発を目的としたさまざまな講義やグループワークが実施されました。若杉教授は、原子力分野の現場で起こり得る「コストやスケジュール」と「安全」の競合問題について講義。その後、事例として「原子力発電所では極力発電を止めたくないという経済的心理により、定期点検などの安全確認の作業に費やす時間を最小限にしたい」という場面を想定したロールプレイを実施しました。

参加者は、現場においてスケジュールを優先しすぎたり、上司からの効率化の要求に無理に応えることにより安全性がないがしろにされたりするケースを疑似的に体験。事故時における関係者の立場や考え方を学ぶとともに、安全が何よりも優先されることの重要性を学びました。
若杉教授は、「ホテルも会議場も武装したガードマンによって守られており重々しい雰囲気でしたが、参加者の熱意は高く、充実したスクールになりました」と語りました。