原子力関係の教育は、大学院工学研究科で継続しています。
また、研究活動は国際原子力研究所で活発に行っています。
「目の前にある問題が、どのような事象で成り立っているのか」を分解して理解し、一つひとつの事象を分析することで、統合的な解決策を打ち出せる力を養います。また、原子力分野で発生している問題には人的な要素もかかわっていることから、高い倫理観や幅広い視野も養います。
原子力工学科の特色
次世代の原子力技術者の養成を目指す
原子力エネルギーは、温室効果ガスを排出しないゼロエミッション電源です。また、高度な技術力によって経済性を確保した利用が可能な準国産エネルギーであることから、日本の多様なエネルギーミックスの一つの電源として位置づけられています。一方、東京電力福島第一原子力発電所事故を経験した日本においては事故の教訓を踏まえ、率先して重大な事故のリスクを低減し、安全性を継続的に高めていく努力が重要です。そのためには、最新の知識と高度な技術を有した人材の輩出が重要です。原子力工学科では、次世代の原子力技術、原子力の安全性、放射線の高度利用などの専門知識の修得ばかりでなく、エネルギー全般に対する関心や見識をもった原子力・放射線の高度技術者の育成を目指します。
原子力高度技術者の養成
原子力高度技術者の養成を目的に、❶原子炉工学分野(核燃料サイクルの完結)、❷放射線応用分野(放射線の医用・工業への利用)、❸エネルギー応用分野(原子力技術に関連した材料開発)の3分野制を骨格として、講義・演習、実験・実習の科目によりカリキュラムを構成しています。また、放射線取扱主任者(第1種・第2種のいずれか)または技術士(原子力・放射線部門)の試験の合格、指定科目から合計44単位以上(うち必須科目30単位)の修得、卒業研究修了を要件として「原子力マイスター」※の認定がされます。卒業要件(124単位)よりも高いレベルを目指します。
実践力・即戦力の強化
講義としての座学以外に、演習科目(核燃料サイクル演習1・2、原子炉実験・演習)や実験・実習科目(原子力工学実験1・2、放射線分析実験)を多く設置し、コンピュータ活用を含めて、徹底的に実践力を身につけるようにします。また、資格取得を促進する科目も用意し、就職後に即戦力となる学力を確保します。