教育研究上の目的及び養成する人材像
工学部材料科学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、国際基準の技術者教育に準拠した大学教育を第一として、独創的な技術者の養成のみならず、社会貢献可能な幅広い全人的な教育を行うことである。すなわち、「単なる知識や技術の修得にとどまらず、人生の基礎となる世界観、歴史観、人生観を備えた豊かな材料科学の専門家」となる人材を養成することです。
3つのポリシー
1ディプロマ・ポリシー
工学部材料科学科では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(工学)」を授与します。
知識・理解
社会貢献可能な幅広い教養を持ち、工学分野の基盤である、材料開発と材料利用のための知識と技術を持つこと。
汎用的技能
材料科学に関する知識と技術を生かし、社会に存在する問題を発見し、解決する能力を持つこと。
態度・志向性
人生の基礎となる世界観、歴史観、人生観を備え、自らの努力と独創的な知恵により、社会に貢献する姿勢をもつこと。
2カリキュラム・ポリシー
工学部材料科学科が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程・学修成果
本学科では、単なる知識や技術の習得にとどまらず、人生の基礎となる世界観、歴史観、人生観を備えた創造性豊かな人材を育成することを目的とし、知識と能力の啓発を目指すカリキュラムを編成しています。まず、1年次では、指導教員制と連動した「入門ゼミナール」で、指導教員の人柄に触れ、社会人基礎力となるべきコミュニケーション能力を養いながら、研究背景および高度で実践的な研究内容の理解への導入を促します。同時に、工学と人間社会との関わりの礎となる自然科学の理解の促進のため、「物理実験」、「化学実験」を中心に専門基礎科目を学びます。2年次では、専門主要科目である、「物理化学」、「金属組織学」、「材料物理学」を通して現代科学技術の根幹を支える材料科学の基礎を学ぶことにより、専門性の高い課題に対応できる能力を高めて行きます。同時期に開講される必修科目である「現代文明論」を通して、文理にとらわれない幅広いものの見方・考え方を養います。また、「材料科学ゼミナール」では、少人数グループに分かれ、問題発見能力を引き出すことに主眼を置き、実践的専門分野の英語コミュニケーション教育を行い、国際的に活躍するための基礎を習得します。さらに、「材料科学実験AとB」では、講義との連携を図りながら、材料科学に関する理解を深めるだけでなく、卒業後の社会人としての素養を考慮して、実験で得られた経験や知見を報告書にまとめ、定刻通りに提出する習慣を身につけます。このために経験豊かな教職員が一体となったサポート体制を取ります。
本学科は、材料科学の幅広い専門分野の中で学習目標を定めやすいように、学びの方向付けとして「航空宇宙・構造材料コース」、「超電導・機能材料コース」、「環境・エネルギー材料コース」さらに、国際基準の技術者教育に準拠した「材料技術者コース」を設置しています。それぞれのコースごとに推奨科目が提示され、各コースの目的が区別されています。第4セメスターから各コースを予備選択し、第5セメスター開始時に学生が各コースを確定して自らの目標に沿った学習を実践します。
3年次では、問題解決能力を飛躍的に高めるためのステップアップの段階として、「材料科学研究」と「先行卒業研究」を履修し、卒業研究の予備的研究を行うことにより、自立的に課題に取り組むための力を涵養します。必修科目の「卒業研究1と2」では、すべての学生が各研究室に配属され、指導教員のもとで先端的な材料科学研究と技術の習得や探索に力を注ぎながら問題解決に取り組むことにより、チームワーク力やリーダーシップを発揮するための力、そして、材料科学的・工学的課題解決のための実践的専門性を体得します。
以上のように、材料科学科では、先端技術のための材料研究を基盤として、問題発見・解決能力に富んだ、社会で活躍のできる人材の育成を目指しています。
学修成果の評価方法
材料科学科のディプロマ・ポリシーに示されている「知識・理解」「汎用的技能」「態度・志向性」に関して、修得単位数・GPA による分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッションポリシー
求める学生像
工学部材料科学科の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身に付けられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1) 知識・技能
英語では、高校での英語の科目の履修を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身につけておくこと。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを応用できる能力を身につけておくこと。
理科では、高校での理科(物理、化学、生物)の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していること。
国語及び社会は、理系の学問を学ぶ上で必要な文化的な知識を幅広く理解していること。
(2)思考力・判断力・表現力
社会の要請に対して材料工学技術でどのような貢献ができるかを思考し、そのためには何が必要なのかを総合的に判断する力の向上が期待できること。また、それらを文章や口頭などで適切に説明・表現する力の向上が期待できること。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
多様な価値観や立場・役割を理解し、友好な人間関係を築くことができ、物事に対して主体的に取り組む姿勢、および、社会に貢献する姿勢を持つことが期待できること。また、失敗や挫折を乗り越えて友人、先輩らと協力して目標を実現しようと努力することが期待できること。