工学部

建築学科

先輩・卒業生からのメッセージ

工学部建築学科を目指す皆さまに向けて、先輩・卒業生からのメッセージです。彼ら、彼女らの具体的な想いや経験談を聞いて、これからの大学生活を思い描くヒントにしてみてください。

中村 允哉
株式会社大林組
中村 允哉さん

2011年度修了

大手総合建設会社で施工管理

大林組は、建築工事をはじめ、設計や都市開発、土木、不動産など建設にかかわるさまざまな事業を請け負う総合建設業です。建物をつくるという行為は設計図や仕様書を用意するだけでは終わりません。何十社に及ぶ専門業者が工事に携わる中で、どのような順序で工事を行えばよいか、どのように品質を確保するか、どうすればより安全に工事を行えるかなどの問題点を検討し、図面から実物へと落とし込んでいくことが私たち施工管理の仕事です。仕事量は膨大ですが、自分なりに工夫を重ねた建物が完成すると大きなやりがいと達成感を感じます。当面の目標は、現場所長として一つの物件を納めることです。年を重ねるごとに責任も増え楽しいことばかりではありませんが、とても充実した日々を過ごしています。

アトリエで働くということ

好きな建築家の元で、建築の始めから終わりまでにかかわりたいという単純な動機でアトリエ(建築家の個人設計事務所)に勤めて10年になりました。10年の間に担当したプロジェクトは、ホテルの改装、いくつものコンペ、集合住宅、東北被災地の復興商店街など…。それぞれの物件ごとに想いがあり、環境があり、出会いがあります。10年間の苦労と感動を振り返ってみると、建築に携わっていきたいと思うすべての人に、まずはアトリエに入ってみることをお勧めしたくなってしまいます。建築やそれを取り巻く社会、そこにかかわる人々、それらの成り立ちを俯瞰できるアトリエ。ものをつくっていく上でとても大切なこと。一度しかない人生の裾野を広げてくれる経験が待っています。

上村 育美
有限会社東 環境・建築研究所
上村 育美さん

2005年度修了

齋藤 敦
足立区役所
齋藤 敦さん

2002年度卒業

行政の創造力

地方自治体で建築職が担当する仕事は都市計画、まちづくり、建築確認、施設営繕など多岐にわたります。現在取り組んでいるのは区の「住宅マスタープラン」の改定で、「ハコ」だけでなく「コンテンツ」を重視し、地域特性を考えながら計画をしています。さまざまな事業の主管課との調整や、審議会からの厳しい意見をまとめることは簡単ではありません。窓口で区民からいただく意見にも耳の痛い話があります。しかしそうした意見の中には、気づきがたくさんあります。人口減少、少子超高齢社会を迎える厳しい財政状況の中で、これからの行政はゆるやかにつながる公民連携で、みんなで課題を解決していく仕組みをつくることが必要です。それは行政に新しい発想や創造力が必要だということです。

大手総合設計事務所で設備設計を担当

建築設備の仕事がしたいと思って建築学科に入学しましたが、大学院修了後は就職氷河期もあってか希望とは異なる企業にしか入れませんでした。思いを断ち切れず、就職後に2度の転職を経て現在にいたります。機器や配管、ダクトなどの収まりを検当する機械設備の仕事は、意匠設計者の要望や構造設計基準との兼ね合いが難しく、さらに竣工時に確認しきれない温湿度、騒音、臭気といった問題もあり大変ですが、施主に喜んでもらえることにやりがいがあると感じています。いつか設備設計の花形である大きな総合病院の設計がやりたいと思っています。そうやって、まずは「やりたい」と思うことが重要で、思うことをしなければ何も始まらないと思います。これからもさらなるステップアップを目指して、頑張っていきたいと思っています。

篠原 史彦
株式会社日本設計
篠原 史彦さん

2002年度修了