「2022年度相談援助実習報告会」を実施しました

健康学部健康マネジメント学科では10月21に、湘南校舎を拠点にオンラインも併用して「2022年度相談援助実習報告会」を実施しました。社会福祉士の国家資格取得を目指す3年次生31名が、8月から9月にかけて23日から25日間、児童相談所や病院、福祉事務所、社会福祉協議会、高齢者施設や障害者施設などでの現場実習に取り組んできました。21日の報告会では新型コロナウイルスの感染症の拡大防止の観点から4つの教室に会場を分け、学生は来年度実習を予定している2年次生や教員を前にその成果を約7分間にわたって発表。また、実習先の指導者や職員らはオンラインで参加しました。

リハビリテーション施設で実習した学生は、実際の現場で働く医療ソーシャルワーカーとかかわる中で感じたことについて語り、「疾患や障がいを抱えた人に対して、自分の物差しや先入観にとらわれていたことに気付きました。また、当事者やその家族の思いを尊重した支援が必要になると学ぶとともに、何から何までサポートするのではなく、時には何もせずに見守ることも支援の1つなのだと知りました。相手の考えを汲み取り、さまざまな視点から物事を見るソーシャルワーカーを目指していきたい」と意欲を見せました。児童養護施設で実習した学生は、「はじめは児童と関係構築に向けて、少し前のめりにコミュニケーションをとっていたのですが、多くの児童が家庭環境に恵まれず虐待やネグレクトによって大人への信頼を失っているため、簡単に関係性は築けませんでした。適切な距離感を持ちつつ、“守ってくれる大人がいる”と伝えることが重要なのだと理解しました。また、児童は想像以上に大人たちの姿をよく見ているので、職員間の関係性も大切なのだと感じました」と振り返りました。老人ホームで生活相談員の実習をした学生は、「利用者の方と年齢が離れているため、最初は何を話していいのかわからなかったのですが、利用者の情報が分かるシートで共通した趣味や好みを把握したことで会話が弾み、円滑にコミュニケーションが取れるようになりました。“利用者のことを知ろうとする”という意思を持つことが重要だと再認識できました」と語りました。

指導に当たった阿部正昭教授は、「社会福祉士の資格取得には、座学による抽象的な学びだけでなく、現場に出て専門職の方々の技術や情報・知識に触れて体験する機会が重要です。報告会に向けて経験を言語化することで、座学による学びと現場の実践を統合できたのではないでしょうか。また、それぞれが異なる専門性を持つ職場についての経験を共有することで、どのような道を目指していくのか考える機会にもなったと感じています。今後も大学と学生、専門職が活躍する施設・機関による連携体制を継続・構築し、実践知を修得した学生を育てていきたい」と話していました。

なお、10月28日にも同様の報告会を予定しています。