「2023年度 精神保健福祉援助実習報告会」を実施しました

健康学部健康マネジメント学科が10月27日と11月10日に湘南キャンパスで、「2023年度 精神保健福祉援助実習報告会」を開きました。精神保健福祉士※(MHSW)の資格取得を目指す4年次生11名が、医療機関と地域(民間の施設)・行政機関などで取り組んだ実習の成果を発表。オンラインも併用し、教員や次年度に実習に臨む3年次生、実習先の指導者らが参加しました。

11月10日には、地域・行政機関で実習した成果の報告会を実施しました。初めに、指導する長沼洋一講師が登壇し、「新型コロナの感染状況を確認しながら臨機応変に対応してくださった実習施設の方々に感謝します。学生たちは終了後も、振り返りやグループワークを通じて学びを深めてきました。今後に向けて、ぜひ指導者の皆さんからのフィードバックをお願いします」とあいさつしました。

多機能型事業所で実習した学生は、「利用者と興味や関心のレベルで会話するのではなく、質問する目的や意味を考え、相手のペースに合わせて反応を見ながら対話を重ねることが大切だと実感しました。急いで結果を求めすぎるという自分の癖に気付けたことも収穫です」と振り返りました。生活支援センターで実習した学生は、「リカバリーゴール」を作成するための模擬面談に臨んだ体験を報告。「本人の意思を正しく理解した上で伴走者として支援する大切さを学びました。指導者の方からいただいた“車のハンドルを握るのは本人”と言う言葉を忘れず、選択肢を提供するのではなく、その人にとってよりより選択肢を一緒に考えられる精神保健福祉士になりたい」と語りました。各報告後には参加者との間で活発な質疑応答を交わしました。

オンラインで参加した実習先の指導者からは、「すぐに解決できない問題を持つ人にどのように関わればよいかを試行錯誤し続けることにも、大きな意味があると考えます。現場に出た際はさまざまな機関と連携協力し、課題の解決を目指してください」「実習は自分自身と向き合う機会にもなったと思います。自分の強みを見出して現場で生かしてほしい」といったアドバイスやエールが送られました。

最後に中越章乃講師が、「実習で学んだことや印象に残ったことが、具体的にしっかりと伝わる発表でした。支援者としての視点や姿勢を意識できるようになったと感じます。4年次生は、指導者の皆さんからいただいたコメントをぜひ今後の学修や将来に役立ててほしいと思います。3年次生は、先輩の発表を実習計画作成の参考にしてください」と結びました。

※精神保健福祉士(メンタルヘルスソーシャルワーカー=MHSW)は、心に病を抱えた人がスムーズに生活できるよう相談に応じ、助言や指導、訓練、社会参加の手助けといった援助や環境調整を行う専門職です。国家資格を取得するためには、「医療機関」「民間の施設や行政機関等」の機能の異なる2つの施設で、合計210時間以上の実習が必要です。