健康マネジメント学科の「健康学概論」で江崎客員教授が講義を行いました

健康学部健康マネジメント学科では6月11日に湘南キャンパスで、社会政策課題研究所所長で本学客員教授の江崎禎英氏による講義「健康長寿社会への挑戦」を実施しました。本学科の必修科目である「健康学概論」の一環として、本学科の1年次生約200名が聴講しました。

江崎客員教授は、経済産業省や厚生労働省で医療・健康に関する政策策定などに携わった後、社会政策課題研究所を設立。現在は所長として故郷である岐阜県を拠点に、医療や健康、経済や金融、IT・エネルギーといった幅広い分野の知識や経験、ネットワークを生かしてさまざまな社会の課題を掘り下げ、よりよい社会づくりのための政策の方向性などについて発信を続けています。

講義でははじめに、「新型コロナウイルスから学んだこと」と題して近年の日本の死亡者数を示したグラフを用いて解説。新型コロナが蔓延した2020年は、前年と比べて死亡者数が減少したものの、21年以降は特に70歳以上の死亡者数が増加し、「外出を自粛するあまりに免疫力が衰えて老衰する人が多くなりました。ワクチンだけに頼るのではなく、自らの免疫力を高める行動が最も大事だと新型コロナが教えてくれました」と話しました。

続けて、「世界中で高齢化社会が課題とされるのは間違い」と提言し、「人間の寿命は、生物学的に120年とされています。高齢化社会や老後を『暗い時代』と思わず、“もらった寿命を多くの人が生きられるようになった”と理解してください」と話しました。さらに、人生100年時代を幸せに生き切るための3つのキーワードを紹介。「美しい自然の中で家族や仲間と共に過ごし、おいしいものを食べて運動して、やりたい仕事も趣味も諦めず地域とつながり続けるといった、“おいしい・楽しい・ワクワク”を意識しながら生活することで免疫細胞が活性化します。そういった生き方を支えるのが、皆さんが学ぶ健康学です。健康は人生の最終目標ではなく、何かを実現するための条件であり、その結果だということを心にとどめてください」と語りかけました。

受講した学生たちは、「高齢化には悪いイメージを持っていたけど考えが変わりました。現在の社会に合わせた新しい保障制度が必要」「高齢者の方との関わりを持つことが、健康予防にもつながるのが印象的だった」と話していました。科目責任の健康マネジメント学科長の小林理教授は、「2年次生以降は、外部でのフィールドワークやボランティア活動など、教室だけの学びに収まらず『社会と関わること』もテーマになります。江崎客員教授からいただいたメッセージを今後の学びにつなげてもらいたい」と語りました。