公開セッション「ブランドを形にしていくための対話とは」を開催しました

教養学部芸術学科デザイン学課程が公開セッション「ブランドを形にしていくための対話とは」を、10月18日に小田急線東海大学前駅南口のサテライトオフィス地域交流センターで開催しました。本学が文部科学省「地(知)の拠点整備事業」の採択を受けて取り組んでいるTo-Collaboプログラムの大学推進プロジェクト「地域デザイン計画 ブランド創造事業」の一環として実施したもの。本事業では、各事業の商品化や試作化などを支援することを目標にしています。今回は、地域活性化につながるブランド創造に向けて企業・団体側とクリエイターがどのように協働していくべきかを学ぶために、宮城県石巻市で次世代へと続く未来の水産業の形を提案している一般社団法人「フィッシャーマン・ジャパン」でアートディレクターを務める安達日向子さんを講師に招き、公開セッションを開催。本課程の学生や平塚市漁業協同組合の組合員など、約10名が参加しました。

フィッシャーマン・ジャパンは、三陸各地の若手漁師や鮮魚卸などが集まり2014年に設立。水産業の3Kといわれる「きつい・汚い・危険」を、「格好いい・稼げる・革新的」の”新3K”に変え、地域や業種を超えて漁業者がつながり、新しい水産業の形を提案することで担い手を増やすことを目的に活動しています。安達さんは、「実際にお会いした漁師の方たちは、毎日命がけで漁に出ていて仕事に誇りを持っている。その姿がとても格好いいと思い”新3K”のブランディングに活用しています。こういった印象がつくるブランドには無形の価値があり、ほかとの差別化を図るうえでも大切にしています」と話しました。

続いて、「当事者とどう関係性を築いていくのか」をテーマに、安達さんと参加者によるディスカッションを行いました。参加した学生からが、「クライアントから依頼された案件を進めていく中で、デザイナーの立ち位置や、どれくらい意見していいものか悩んでいる」と質問すると、安達さんは、「デザイナーは、クライアントとそのチームや周りの人との間に入る、潤滑油のような存在でもあります。私はクライアントが気付いていない価値を見つけ、より企画が楽しいと感じるアイデアを提案することを意識しています。クライアントに同化しすぎるのもよくないですし、仕事がルーティンになるとチーム全体がマンネリ化するので、ところどころで遊びを入れたり少し離れてみたりと、恋愛のように駆け引きしてみるのがいいと思います」とアドバイスしました。

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