人間環境オープンセミナー「買い物を通じて未来を変える~小売業とSDGs~」を開催しました

教養学部人間環境学科自然環境課程では、5月30日に湘南キャンパスで人間環境オープンセミナー「買い物を通じて未来を変える~小売業とSDGs~」を開催しました。大学院人間環境学研究科との共催でFD(Faculty Development/授業改善)研修企画として3回連続で実施しているこのセミナーは、各分野で活躍している方々の話を聞くことで教員の授業の質の向上を図るとともに、学生の視野を広げることを目的としています。今年度1回目となる今回は、小売り大手のイオングループからトップバリュ株式会社マーケティング本部/ブランドマネジメント部の有本幸泰氏を講師に招き、学生や教職員、地域住民ら約100名が参加しました。

有本氏は、世界の貧困率が高い国のほとんどが紛争・内戦の起きている地域であると説明し、イオンの創業者が残した「小売業は平和だからできる商売だ」という言葉を紹介。「皆さんが社会に出るこれからの時代は、世界で起きている事件や問題が日本にどう影響するかを答えられるようにならなければいけません。平和な国でないと、経済・商業は発展しないということをよく覚えておいてください」と語りました。また、劣悪な労働環境が多い発展途上国の現状に触れ、2013年にバングラデシュのアパレル工場で起きた崩壊事故を紹介。「この工場で作られていた商品はすべて日本への輸出品でした。このように、世界で起こった事故や事件が、さまざまな形で日本とかかわる時代です。学生の皆さんは、4年間で世界の現状や日本とのつながりについて学んでください」と話しました。ほかにも有本氏は、トップバリュが生産者に寄り添う取り組みとして行っている「MSC認証」と「ASC認証」を受けた水産物の販売実績や、フェアトレード商品について解説し、「今日この講演が、自分が普段食べている食品がどのように作られ、誰にどんな影響を与えているかを考える機会になればと思います」と参加者に語りかけました。セミナーに参加した学生は、「普段考えないようなこと、考えたことがなかったことをしっかりと考える機会になった」「身近な企業から世界や地球に対するさまざまな問題を知ることができ、これから日常的に意識することができると思った」「今できることを精いっぱい行い、世界に目を向けていきたい」といった感想を述べていました。

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