人間環境学科の岩本准教授が編集代表を務めた『SDGsと学校教育 教職概論』が刊行されました

教養学部人間環境学科自然環境課程の岩本泰准教授が編集代表を務めた『SDGsと学校教育 教職概論―「包容的で質の高い教育」のために―』(株式会社学文社刊)が、10月15日に刊行されました。

2017年3月に公示された幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領および2018年3月に公示された高等学校学習指導要領では、全体の内容にかかわる前文と総則において「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられています。本書では、特に持続可能な開発目標である「SDGs」の目標4のターゲット4.7「2030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化が持続可能な開発にもたらす貢献の理解などの教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために、必要な知識とスキルを習得できるようにする」に着目。学校教育の中で各教育機関が整合性のとれたコアカリキュラムを構築していくための指南書として、各大学で教職課程科目を担当する教員が参加した「SDGsと学校教育研究会」の議論を踏まえて編纂されました。

全10大学の教員が多様なテーマで執筆し、岩本准教授は全体の編集作業と第7章「SDGs時代における教育課題」とあとがきの執筆を担当。SDGsの普遍的な目標である「誰も置き去りにしない」を実現するためには、海外の発展途上国への協力だけではなく、日本国内の外国籍の子どもへの学習支援や、グローバル市民育成の重要性を論じています。岩本准教授は、「これからの教育は、『誰のために』『何のために』といった部分を明確にしていく必要があります。そのために、教育実践を学校だけで完結するのではなく、各教育機関が社会とどうつながって社会変革につなげていくべきなのか、教員や教員志望者が考えるきっかけの本になれば」と語っています。

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