教育研究上の目的及び養成する人材像
文理融合学部人間情報工学科の教育研究上の目的は、大学・学部の教育目的に沿って、電気電子・情報工学及び医用工学に関する幅広い基礎知識と高度な技術をもって、現代の社会が抱える多様かつ複雑な問題に対処するための創造力と実践力を兼ね備えた人材を養成することです。具体的には、先端的な情報技術と医療技術に関する深い専門知識を習得し、文理を横断する広い視野と柔軟な発想力を備えることで、自然環境や社会倫理に配慮しながら、人工知能(AI)や半導体などの先端技術を活用して課題解決に寄与できる技術者を育成します。
3つのポリシー
1ディプロマ・ポリシー
文理融合学部人間情報工学科では、以下の能力を備えたと認められる者に学位「学士(工学)」を授与します。
知識・理解
・電気電子および情報分野についての専門知識
・医療分野についての専門知識
・環境保全や応用倫理など社会的課題についての理解
技能
・電気電子・情報工学および医療工学における専門知識を活用し、多様な問題を解決できる能力
・電気電子・情報工学および医療工学に関連するハードウェア・ソフトウェアの仕組みや操作を理解し、問題解決に活用する能力
態度・志向性
・講義や実験・実習等に積極的に取り組み、知識と技能を修得しようとする態度
・自主的かつ創造的に問題解決に取り組む姿勢
2カリキュラム・ポリシー
文理融合学部人間情報工学科が定めるディプロマ・ポリシーに基づき、以下に示す教育課程を編成し、実施します。
教育課程・学修成果
人間情報工学科の教育課程は、「地域ソリューション」、「人文社会系基礎」、「理工系基礎」、「学科共通」、「情報工学」、「AI・データサイエンス」、「半導体工学」、「環境工学」、「医用工学」、「医学・臨床工学」、「ゼミナール」等の学科目から構成されています。この教育課程では情報と医療を教育の柱とし、基礎から応用までの科目を体系的に配置しています。さらに、本学科では国家資格である臨床工学技士を養成するための科目も配置されており、臨床工学技士に必要不可欠な医学的知識や技能、チーム医療の一員としての役割や責任などを実践的に学べるように構成されています。
初年次は、熊本の地域社会を理解し問題を分析解決する能力を養うための「地域ソリューション科目」である「情報リテラシー」、「情報処理入門」、「阿蘇の自然と農業」、「データ解析」等に加え、文理融合の複合的視点を養うための「人文社会系基礎」として「社会学概論」、「心理学概論」、「経営学概論」、「会計学概論」、「理工系基礎」として「コンピュータ概論」、「プログラミング入門」、「微積分学」などの基礎科目を学びます。これらの学科目の科目は2年次まで開講され、現代社会の複雑な問題を文系・理系の枠を超えた幅広い視点でとらえ、解決するための基盤を培います。さらに、初年次科目として「入門ゼミナール1・2」では大学での学びや専門領域に関する調査、レポート作成、グループディスカッションなどに取り組み、基本的なアカデミックスキルやキャリア形成への意識を身に付けます。専門科目では「電気・電子工学総論」や「プログラミング」などの必修科目を中心に、電気電子工学や情報工学の基礎を学びます。また、臨床工学技士を目指す学生に対しては、「医用工学」および「医学・臨床工学」の基礎的な科目を開講し、医学に必要な基礎知識だけでなく、医療に携わる者としての心構えや、資格取得に向けた意識付けを行います。
専門性の高い科目は2・3年次を中心に開講しています。「情報処理工学」、「コンピュータアーキテクチャ」、「データサイエンス基礎」などの科目では情報工学の専門知識を学び、「電子回路」、「デジタル回路」、「集積回路工学」、「センサー工学」などの科目では電気電子工学、特に半導体に関する専門知識を学びます。これらの科目を履修することで、ディプロマ・ポリシーで設定している電気電子および情報分野についての専門知識を身につけます。また、「生体計測装置学」、「医用治療機器学」、「呼吸機能代行装置学」、「循環機能代行装置学」「代謝機能代行装置学」「臨床医学A・B・C・D」 などの医用工学および医学・臨床工学の科目を学ぶことで、ディプロマ・ポリシーで設定している医療分野についての専門知識や技能を身につけるとともに、臨床工学技士の資格を得るための知識・技能を修得します。以上の各分野の科目を体系的に履修することで、ディプロマ・ポリシーで設定している電気電子、情報、医療の各分野における専門知識、それら知識を活用して問題を解決する能力、積極的に知識と技能を修得する態度を身につけます。さらに、「環境情報計測」、「環境エネルギー工学」、「リモートセンシング」などの環境工学の科目を学ぶことで、環境に関する情報を収集・分析・応用できる高度な専門知識を身につけ、ディプロマ・ポリシーで設定している環境保全や応用倫理についての理解を深めます。
本学科では「電気工学実験」、「電子工学実験」、「臨床工学実習A・B・C・D」などの実験・実習科目を各学年で開講し、機器の製作や取り扱い、現象の観察、実験レポートの作成、演習を通じて講義科目で学んだ専門知識への理解を深めます。さらに「プログラミング応用」、「データサイエンス」、「画像処理工学」などの科目では、講義だけでなくプログラミングやデータ分析などの実践的な課題に取り組み、高度な専門知識および問題解決の能力を養成します。医療分野では「医療工学演習」、「医用機器安全管理学演習」「生体機能代行装置学演習」などで装置の操作・管理技術を学び、知識の理解度を深めるだけでなく、事故事例を通してより実践的な技術を身に付けます。これらの科目により、ディプロマ・ポリシーで設定している電気電子・情報工学および医療工学に関連するハードウェア・ソフトウェアを理解し、問題解決に活用する能力を身につけることができます。4年次に開講される「卒業研究1」、「卒業研究2」では、研究計画の策定と実施、卒業論文の執筆、研究成果のプレゼンテーション等によって、ディプロマ・ポリシーで設定している自主的かつ創造的に問題解決に取り組む姿勢および各専門分野における知識・技能を総合的に身につけます。
学修成果の評価方法
授業科目ごとの学修成果の評価については、科目ごとにあらかじめ学修成果目標と成績評価基準を策定・明示し、それに沿って担当教員が公正かつ厳格な成績評価を行います。また、学位プログラム単位での学修成果の評価については、人間情報工学科のディプロマ・ポリシーに示されている『知識・理解』、『技能』、『態 度・志向性』に関して、ルーブリックによる観点別評価、修得単位数・GPAによる分析評価、授業についてのアンケート等を用いた学生による自己評価により、学修成果の評価を行っています。その集計結果は、FD活動等をとおして教育の質向上のためのPDCAサイクルにつなげています。
3アドミッション・ポリシー
求める学生像
文理融合学部人間情報工学科の教育目標を理解し、この目標を達成するために自ら学ぶ意欲をもった人材。及び、ディプロマ・ポリシーで求められている能力を、身につけられると期待できる基礎学力を十分有する人材。
入学者にもとめる知識・技能・思考力・判断力・表現力・態度
(1)知識・技能
英語では、高校での英語の科目の履修を通して英語の文章理解力、表現力、コミュニケーション能力を身に付けておくことが望ましい。
数学では、高校での数学の科目の履修を通して公式や計算方法を理解した上で、それらを 応用できる能力を身に付けておくことが望ましい。
理科では、高校での理科(物理、化学、生物)の科目の中から数科目を選択し、個々の項目の内容を理解していることが望ましい。特に
国語及び社会は、理系の学問を学ぶ上で必要な文化的な知識を幅広く理解していることが望ましい。
(2)思考力・判断力・表現力
電気電子・情報技術や医療技術ならびに環境保全に関わる社会の諸問題を捉えてその構造を理解するとともに、文系と理系の知識と技術をもって対応できる能力、およびそれらを他者に対して的確に伝えることができる能力を身に付けることが期待できること。
(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度
多様な価値観、立場と役割を理解できる寛容性を有し、自身と社会の良好で健全な関係を築き、協調できること。また社会の複雑な問題の解決に積極的に取り組むことが期待できること。