医学部と健康学部が昭和薬科大学と共同で「多職種連携チーム医療演習」を実施しました

医学部と健康学部では4月27日と5月11日に、学術交流協定を締結している昭和薬科大学で「2024年度多職種連携チーム医療演習」を実施しました。この演習は、医師、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師を目指す学生が各職種の役割を理解するとともに、自らの職種の特性を生かした多職種連携による医療を実現するための知識や技能、態度の修得を目指すものです。今回は、医学部医学科5年次生と看護学科4年次生、健康学部健康マネジメント学科3、4年次生、昭和薬科大学薬学部6年次生の計340名が演習に取り組みました。

学生たちは、各学科の学生が混在する40チームに分かれ、教員をファシリテーターとして、あらかじめ指定された患者の事例について討論。患者の病態や既往、本人や家族の意思、生活環境、経済状況といった多様な要素を踏まえて治療やケアの方法を検討し、その結果を発表して質疑応答を交わしました。最後にファシリテーターが優秀な討論・発表をしたチームを表彰しました。

医学科の学生は、「患者さんを全人的にとらえ、多職種で課題を共有して治療から社会復帰に至るまでの解決策を見出す過程を通じて、専門職としての責任とコミュニケーションの大切さをあらためて意識しました。患者さん中心の医療とは何かを追究し続けます」とコメント。看護学科の学生は、「看護師は、患者さんと医療者だけでなく各専門職をつなぎ、医療チームの潤滑油にもなれると実感しました。今後の実習や医療現場に生かしたい」と話していました。健康学部の学生は、「早期から多職種がかかわることで、患者さんが納得できるよりよい支援方法が見いだせると分かりました。適時適切な支援を提案できるよう、社会福祉や保健制度に関する知識をさらに深めていきます」と意欲を見せていました。

ファシリテーターを務めた教員からは、「医療者だけでなく患者さん本人や家族も含めて“チーム”だと考えて臨んでください」「討論においては、他者の意見をしっかり聞いて自分の意見を明確に述べるのはもちろん、他者から話しかけられやすい雰囲気をつくることも大切です」「討論した仲間とは今後も交流を続け、相談や情報交換を通じて高め合ってほしい」といったコメントが寄せられました。

運営責任者を務めた伊勢原教育計画センターの濵田昌史センター長(医学部医学科教授)は、「学生たちは事例を細部まで分析し、専門職として何ができるかを考えるとともに、単に病気を治すだけでなく患者さんの背景にある心理的・社会的・倫理的な問題への対応を議論によって導くというチーム医療の過程や意義を理解してくれたと感じています。今回の演習を振り返り、さらに内容を掘り下げて自身の成長に生かすよう期待しています。チーム医療を実践して質の高い医療を提供できる医療者を育成するため、演習プログラムのさらなる充実を図っていきます」と話していました。