総合医学研究所所員でテニュアトラック教員の福田篤特任講師が「ヒト多能性幹細胞と多層的トランスレーショナル研究」と題したシンポジウムを企画・運営しました

総合医学研究所に所属するテニュアトラック教員の福田篤特任講師(文部科学省卓越研究員)が、12月7日に「ヒト多能性幹細胞と多層的トランスレーショナル研究」と題したシンポジウムを企画・運営しました。本学では、国際的な研究力を有し、かつ後進の研究者を育成するメンターとなりうる若手人材の育成を目的として、テニュアトラック制度を設けています。同制度により採用されたテニュアトラック教員はアウトリーチ活動の一環として、学内外のトップレベルの研究者らを招聘したシンポジウムを開くことが義務付けられています。

本シンポジウムは、福田特任講師の研究テーマの一つである「ヒト多能性幹細胞」に注目し、再生医療や創薬に不可欠なiPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)を用いた最新の研究成果を共有するとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、今後の医学研究の方向性や本学の強みである異分野融合を生かした医学研究の展望について議論するために開いたものです。当日は、福田特任講師がモデレーターを務め、関連分野の研究者6名による講演とパネルディスカッションを実施。WEBビデオ会議システム「Zoom」を活用し、教職員や学生、大学院生ら約60名が参加しました。

はじめに本学の山田清志学長が、「教育はもちろん、研究の充実・発展も、医学部をもつ総合私立大学である本学の大きな使命です。本日は、講演される先生方の知見と参加者の皆さんの意見を、本学の医科学研究を次のステージへと押し上げるための力にさせていただきたいと考えています。積極的な参加をお願いします」とあいさつ。続いて、6名の研究者が最新の研究成果を発表し、活発な質疑応答や意見交換を行いました。

後半は講演者をパネリストに、「With コロナ時代に必要な異分野融合医学研究のあり方」と題したパネルディスカッションを実施。「幅広い分野の研究者による共同研究はもちろん、複数の企業と協調しながら忍耐強く研究を継続することが重要。バーチャルでなく、一緒に研究開発できる環境が望ましい」「医学、薬学、理工学、情報関連など、マルチプルなコラボレーションがますます求められていく。学生の段階からそうした意識の醸成が必要」といった意見が出されました。

終了後には福田特任講師が、「異分野による共同研究の重要性をあらためて認識できました。サイエンスに垣根はありません。今日のシンポジウムが、分野の異なる先生方や学生さんが出会い、興味深い研究へとつなげていくきっかけになればうれしい。ぜひ積極的にコンタクトを取り合ってください」と語りました。最後に総合医学研究所の松阪泰二次長(医学部医学科基礎医学系生体構造機能学教授)が講演者と参加者に謝辞を述べ、「多彩な分野のコラボレーションをさらに活発に展開し、科学の発展に貢献していきたい」と述べました。

当日のプログラムは以下のとおりです。
【開会あいさつ】
山田清志(東海大学学長)
【講演】
◇鈴木直輝氏(東北大学医学部神経内科助教)
「ヒトiPS細胞由来神経オルガノイドを用いた筋萎縮性側索硬化症の軸索病態の解析」
◇秦野伸二(東海大学総合医学研究所/医学部基礎医学系分子生命科学教授)
「細胞内膜小胞トラフィッキング異常に焦点を当てた神経変性疾患新規薬剤スクリーニング系の開発」
◇Dr. Aaron Burberry (Harvard University, Researcher/Case Western Reserve University, Assistant professor)
「Environmental influences on neuro-inflammatory pathways in ALS」
(※Video presentation/discussion with Atsushi Fukuda)
◇山田満稔氏(慶応義塾大学医学部産婦人科学教室専任講師)
「ヒト核置換胚性幹細胞におけるミトコンドリア遺伝的浮動」
◇阿久津英憲氏(国立成育医療研究センター研究所生殖医療研究部部長)
「ヒトES細胞の樹立から応用へ」
◇福田 篤(東海大学総合医学研究所特任講師/文部科学省卓越研究員)
「ヒトの多様性をDishで表現する」
【パネルディスカッション】
「Withコロナ時代に必要な異分野融合医学研究のあり方」
【閉会あいさつ】
松阪泰二(東海大学総合医学研究所次長/医学部基礎医学系生体構造機能学教授)