医学部看護学科では1月26日に、「メイヨクリニック・バーチャルツアー」をオンラインで実施しました。本学科では国際性のある看護職を養成するための教育の一環として、1995年から先進的な医療で世界的に有名なアメリカ・ミネソタ州のメイヨクリニックと幅広い文化・学術交流を展開しています。今回の催しは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、選択科目「国際看護基礎演習B:メイヨ」の一環として例年現地で実施していた「メイヨクリニック研修」が中止となったため、現地研修に替えて実施したものです。本学科の学生や教員、同クリニックの看護師、アイオワ州にあるルーサーカレッジの看護学生ら約30名がWEB上で交流しました。
前半はメイヨクリニックの看護師が看護部の概要を説明し、映像で病院内を案内。同クリニックで実習しているルーサーカレッジの看護学生は、大学施設やコロナ禍での授業、キャンパスライフについて映像とともに紹介しました。後半は、医学部付属大磯病院の後藤大輔看護主任が、COVID-19患者専用病棟の管理者としての体験を報告。参加者が医療スタッフの教育やサポート、地域連携などについて意見を交わしました。「国際看護基礎演習B:メイヨ」を履修している本学科3年次生の遠藤春奈さんと千葉茜音さんも、東海大学の特徴や看護学科のカリキュラム、日本の災害支援看護について英語でプレゼンテーションしました。
遠藤さんと千葉さんはともに、「メイヨ研修に参加したい」との強い思いを抱いて本学科に入学。9月にスタートした国際看護基礎演習Bの授業では、メイヨクリニックのホームページの翻訳などを通じて同病院の歴史や特徴を学び、当日に臨みました。遠藤さんは、「リモートではありましたが、現地の様子を体感し、看護師さんや学生と交流できて学習へのモチベーションが高まりました。看護師の勉強はもちろん英語の学習も続け、就職してからでもメイヨクリニックで研修したい」と意欲を見せていました。千葉さんは「アメリカの学生たちも私たちと同じように実習の延期やオンライン授業を経験しているとわかり、身近に感じると同時に“お互いに頑張ろう”という気持ちになりました。医療従事者のおかげで私たちの生活が成り立っていることをあらためて認識しました。将来は自分が看護師になって多くの人を助けたい」と話していました。
指導にあたった庄村雅子教授は、「コロナ禍で2年間途絶えているメイヨクリニックでの研修ですが、今回は多くの教員や学生の協力を得て、テクノロジーを駆使した有意義なバーチャルツアーを実施できました。学生は現地に行くことはできませんでしたが、同じような苦悩を抱えてキャンパスライフや臨床実習に臨んでいる学生の姿に共感したと思います。また、世界が向き合っているパンデミックに対して、メイヨクリニックが最新の医療やケアを提供しているとわかりました。一方で、家族を面会させてあげられないといった苦悩や、コロナと挑む気持ちを、両国の看護師が共有していることが実感できました。COVID-19の収束のめどは立ちませんが、さまざまな方法を工夫して、今後もメイヨクリニックとルーサーカレッジとの交流を深めていきたい」と話しています。