医学部看護学科では3月17日に伊勢原キャンパスで、「2021年度退任教授『最終講義及び懇親会』」を開催。城生弘美教授(医学部副学部長)と金児-石野知子教授が最終講義を行いました。会場では新型コロナウイルス感染症対策を徹底し、森正樹医学部長をはじめ本学部や健康学部、医療技術短期大学の教員、卒業生、医学部付属病院の職員らが出席。オンラインも併用し、約60名が聴講しました。
当日は庄村雅子教授が司会を担当。冒頭であいさつに立った吉川隆博学科長は、「看護学科を支えてきてくださった先生方の退任は大変寂しいことですが、今日は最後の講義を聞かせていただくとともに、感謝の思いを込めて和やかなひとときを過ごしたいと思います」と述べました。
分子生物学や分子発生学が専門の金児-石野教授は、「人体の構造と機能」などの授業を担当する一方で、ウイルス由来の遺伝子の探索とその機能解析に関する研究にも注力した日々を紹介。30年にわたり取り組んできた研究の概要や、ウイルス由来の遺伝子「Peg10」「Peg11」が哺乳類の胎盤形成にかかわることを世界で初めて発表した経緯を説明したほか、若手研究者への思いや今後の研究課題についても語りました。また教育については、遺伝子工学に関する実験のプロトコル動画を自ら作成するなど、高いレベルの実験実習を教授するために工夫を重ねた思い出を振り返り、「教員としては、学生が次のステップに進むためのよき“通過点”であろうと努め、研究者としては、真摯さやデータに対する誠実さを大切にしてきました。自由に研究・教育する環境を与えていただき感謝しています。幸せな27年間でした」と語りました。
基礎看護学が専門の城生教授は、問診や視診、触診などにより患者に必要な看護ケアを明確にして根拠に基づくケアを実践・評価する「フィジカルアセスメント」の教育方法とその評価法、臨床での活用に関する研究に取り組んだ経緯を紹介。東京都立保健科学大学健康科学部看護学科在籍中の2000年8月から2カ月間にわたって単身アメリカに渡り、イリノイ州立イリノイ大学シカゴ校看護学部でアセスメントの技術や教授法を学んだ後、日本に還元するために奔走した経験を語りました。また、2011年度に本学科に着任して以降に従事した養護教諭1種課程の開設や、健康科学部看護学科から医学部看護学科への組織改編、2022年度に向けたカリキュラム改正についても触れ、「11年間お世話になりました。新しい時代に向けて、東海大の看護学科がますます発展するようお祈りしています」と結びました。
最後に、医療技術短期大学の沓澤智子学長(元・健康科学部長)と、2020年度に退任した横山寛子教授、基礎看護学領域の森屋宏美准教授が両教授との思い出を振り返るとともに感謝の言葉を送り、同領域の教員が看護学科を代表して花束と記念品を贈呈しました。