「2021年度医学部医学科研究成果報告会」を実施しました | ニュース | 医学部

医学部医学科では６月３日に伊勢原校舎で、「2021年度医学部医学科研究成果報告会」を実施しました。本学科では、医学とその関連諸領域における研究レベルの向上や優れた研究の重点的な支援を目的として、さまざまな研究助成制度を設けています。この報告会は、本制度の採択を受けた研究テーマについて１年間の成果を報告するものです。当日は、新型コロナウイルスの感染防止対策としてオンラインを併用し、17名が発表、約80名が参加しました。

初めに、大学院医学研究科の小林広幸研究科長が登壇。「この報告会は、医学科における多様な研究を俯瞰し、共同研究の芽を見いだす機会でもあります。本学の創立者・松前重義博士は、“研究はオーケストラである”と語っています。さまざまな楽器の奏者により生み出された新しいメロディーを画期的なシンフォニーの創造につなげられるよう、実りある会にしてください」とあいさつしました。

続いて、医学関連研究のレベル向上に寄与すると認められる優れた研究を重点的に支援する「医学部医学科研究助成金（重点的研究助成）」を受けた15テーマについて、各研究者が成果を発表。さらに、将来を嘱望される研究者の主導による創造的かつ先端的な研究に対して２年間助成する「医学部医学科プロジェクト研究」、医学部医学科研究助成金による助成を受けた研究の中から、より発展が期待されるテーマについて３年間支援する「医学研究基金」についてもそれぞれ１名が、採択期間の満了に伴う終了報告を行いました。各発表について活発な質疑応答や意見交換を展開しました。

最後に、メディカルサイエンスカレッジ（伊勢原研究推進部）の秦野伸二部長（医学部医学科教授）が講評し、「臨床と基礎が融合したレベルの高い研究が進展していると感じました。本制度による成果をベースとして積極的に外部資金を獲得し、各領域における研究をさらに活性化させることを期待しています」と語りました。

なお、医学部医学科研究助成金（萌芽的研究助成）に採択された課題の終了報告と医学部医学科プロジェクト研究、医学研究基金の中間報告については、７月中旬まで本校舎内に掲示発表しています。

※当日のプログラムは以下のとおりです。

【はじめに】
小林広幸教授［大学院医学研究科長］

【医学部医学科研究助成金（重点的研究）終了報告】
◇座長：竹腰　進教授［メディカルサイエンスカレッジ（伊勢原研究推進部）次長］
１．鬼塚真仁准教授［内科学系血液・腫瘍内科学］
「骨髄環境因子が造血幹細胞の老化に与える影響の解析」
２．渡邊孝明講師［基礎医学系分子生命科学］
「癌化に繋がる損傷DNAの複製を制御する新たな因子DGCR8/Droshaの可能性」
３．宮岡　雅講師［基盤診療学系病理診断学］
「免疫グロブリン遺伝子クラススイッチ制御因子はリンパ腫の予後に関連する」
４．夜久優夢（大学院生）［基礎医学系分子生命科学］
「対立遺伝子交換によるフェニルケトン尿症の遺伝子治療法の開発」
５．工藤　海奨励研究員［外科学系腎泌尿器科学］
「EBV感染による脂質組成改変と構築されるTumor LipoSanctuary」
６．鈴木進悟助教［基礎医学系分子生命科学］
「HLA適合非血縁者間骨髄移植症例における新規急性GVHD感受性遺伝子の同定」
７．隅山香織准教授［基礎医学系生体構造機能学］
「抗酸化治療標的としてのBcl-2関連因子Bag familyタンパクの評価」

◇座長：穂積勝人教授［メディカルサイエンスカレッジ（伊勢原研究推進部）次長］
８．亀井俊佑助教［専門診療学系画像診断学］
「カテーテル治療用液状塞栓物質の新規開発：泡沫化アルギン酸ゲルの実用化研究」
９．大和田賢講師［基盤診療学系衛生学公衆衛生学］
「アスピリンのがん進展予防効果を最大化する戦略」
10．津川　仁講師［基礎医学系生体防御学］
「腸内細菌叢内に潜む日和見病原体を制御する腸管粘膜フロントラインバリア機構の解明」
11．吉川枝里特定研究員［内科学系血液・腫瘍内科学］
「血液腫瘍細胞におけるHLA遺伝子異常と造血細胞移植後再発との関連解析」
12．川西　彩助教［内科学系消化器内科学］
「膵神経内分泌腫瘍における細胞接着分子Necl-4の発現と機能の解析」
13．金子元基助教［内科学系消化器内科学］
「クローン病の病態でみたIgA調性腸内細菌の役割と機能解析」
14．松木勇樹（大学院生：採択当時）「基盤診療学系先端医療科学］
　　※指導教員の稲垣豊教授が代理報告
「効率性と安全性に優れた新規修飾型エクソソームの開発と薬物送達手段への応用」
15．金　伯士講師［外科学系腎泌尿器科学］
「ミトコンドリアゲノム腫瘍変異量に着目した腎癌治療薬の新規バイオマーカーの開発」
　　※発表要旨資料で報告