伊勢原キャンパスを7月25日に、タイ・マヒドン大学シリラート病院応用伝統医療学センターの医師が訪問しました。医学部医学科では、学生を対象とした「タイ研修」などを通じて同病院と交流しています。今回の訪問は、本学科の漢方医学教育や医学部付属病院における漢方医療の実際を知りたいとの同センターの意向を受けたものです。応用伝統医療部門長のプラヴィ・アクセイリーノーン氏(世界保健機関伝統医学グローバルセンター所長)をはじめ伝統医療に携わる医師7名が来訪しました。
初めに、専門診療学系漢方医学領域の新井信教授と野上達也准教授が医学部付属病院の東洋医学科を案内し、漢方外来、鍼灸外来における診療について説明。漢方医学と西洋医学の知識を持つ医師が他の診療科と連携して東西の医学を融合させ、一人ひとりの患者に応じた治療を実践していることを紹介しました。
その後、野上准教授と本学科国際交流委員長の加藤裕幸准教授(外科学系整形外科学領域)、タイ研修の担当で訪問団の窓口・案内役を務めた木ノ上高章准教授(基盤診療学系衛生学公衆衛生学領域)が、漢方教育の現状や課題、研究の重要性について訪問団と意見交換。学生や教員、医療従事者の相互訪問研修のあり方についても語り合いました。最後に、国内で承認されている医療用の漢方薬のほぼすべてを扱っている伊勢原キャンパス近郊の望星薬局を案内しました。
新井教授は、「本病院における漢方医学の診療や教育に関する理解を深めてもらうとともに、相互の伝統医療について学び合うよい機会になりました。さらに協力関係を強化し、タイと日本の伝統医療教育や研究、臨床を発展させたい」とコメント。木ノ上准教授は、「本学が独立行政法人国際協力機構(JICA)等とともに展開してきた『21世紀保健指導者養成コース』の受講生との縁が、タイの保健医療関係者との連携につながっています。今後もこうした絆を大切にしたい」と話していました。