医学部看護学科が「高校生のための医療セミナー」を開催しました

医学部看護学科では8月19日に、付属相模高校の生徒を対象とした「高校生のための医療セミナー」を伊勢原キャンパスで開催しました。外傷の予防について学ぶとともに、将来の進路選択を考える機会にしてもらおうと実施しているものです。当日は、2、3年生24名が参加。医学部付属病院の医師や看護師、本学科の教員が講師を務め、学生がサポートしました。

初めに、企画・運営した籠谷恵准教授が本セミナーの目的を説明。続いて、医学部付属病院高度救命救急センターの青木弘道医師が、「外傷のメカニズムと救急医療の役割」をテーマに講義しました。青木医師は、外傷の発生から医療機関に搬送するまでの“救命の連鎖”の重要性や多職種連携によるチーム医療の意義について解説。さらに、海上保安庁などと連携した洋上救急への協力、ドクターヘリでの出動といった幅広い活動についても紹介し、「医師はやりがいのある仕事です。いつか皆さんと働ける日を楽しみにしています」と語りかけました。休憩を挟んで、看護師キャリア支援センター専任教員でフライトナースとしても活動する中嶋康広看護師がドクターヘリの概要を説明するとともに、キャンパス内にある格納庫に移動して機体を紹介。その後、高度救命救急センターの見学も行いました。

ランチョンセミナーでは看護学科3年次生の相澤結季さんと北島鈴伽さんが、カリキュラムや取得できる資格、学生生活を紹介。続く演習では、岩本敏志講師が一次救命処置の留意点と方法を説明し、生徒たちは、心肺停止状態になった成人を発見した際の通報から胸骨圧迫、AED(自動体外式除細動器)操作までの一連の処置を、モデル人形を使って繰り返し練習しました。最後に中嶋看護師が「災害急性期看護」と題して講義。「救助隊は、災害発生時にすぐに現場に到着できるわけではありません。自分と周囲の人を助けるための技術を身に付けてほしい」と訴え、負傷者の応急手当と搬送法を指導しました。

参加者からは、「自分たちでも救える命があると分かりました」「災害時には自助・共助を実践できるようにしたい」「医療現場を見学し、勉強のモチベーションが上がりました」といった感想が聞かれました。サポートした相澤さんは、「生徒たちの反応を確認しながら声をかけました。この経験を養護教諭の資格取得に生かしたい」とコメント。北島さんは「看護学生として、緊急時に適切に対応できる知識と技術を磨き続けなければならないと、あらためて思いました」と話していました。

籠谷准教授は、「医師、看護師はもちろん、救急救命士や臨床工学技士を目指す生徒たちが医療従事者に直接質問する姿も見られ、アンケートでは“リアルな体験ができた”との感想をいただきました。新型コロナの影響で4年ぶりの対面開催でしたが、参加者にとって将来につながる学びや経験になったのであればうれしく思います。今後も高校生のニーズを把握しながら内容を充実させていきたい」と話していました。