看護学科卒業生の佐藤太一郎さんらが初開催した「看護師国際サミット」を教員と学生がサポートしました

健康科学部看護学科(現・医学部看護学科)を2009年3月に卒業し、国境なき医師団の一員として活動する国際看護師・佐藤太一郎さんらが企画した「看護師国際サミット」が11月12日に伊勢原キャンパスで初めて開催されました。このイベントは、佐藤さんが運営する国際看護師のコミュニティー「Nurse Terminal」と、アメリカ・ハワイ州の正看護師・研谷美月さんが代表を務める国際看護師の支援会社「BeLight」が、世界で活躍する多様な看護師が国や団体の枠を超えて経験や知見をシェアし、横のつながりをつくろうと実施したものです。オンラインも併用し、約200名が参加。本学科の教員と学生6名、医学部付属病院等に勤務する佐藤さんの同窓の看護師らが運営をサポートしました。

初めに佐藤さんと研谷さんが登壇し、開会を宣言。続いて、「国際キャリアパス」「世界の終末医療」「世界の救急医療」「国際看護教育」「医療アクセス」といった8つのテーマについて19名がスピーチし、参加者とディスカッションしました。佐藤さんも、「世界の小児周産期医療」「人道援助トークセッション」に登壇し、現在の活動などを紹介しました。会場には、特定非営利活動法人ジャパンハートをはじめ、医療福祉関連機関が活動を紹介する「企業・団体ブース」と、世界で活動する看護師の写真や七つ道具、語学学習法などを紹介する「展示ブース」も設けられ、出展者や参加者同士が交流しました。

佐藤さんは、医学部付属病院高度救命救急センターで5年間勤務した後、国際看護師を目指して英語を学ぶためオーストラリアへ。その後はシップナースとなり、2020年2月には横浜港に停泊したダイヤモンドプリンセス号で、新型コロナウイルスに感染した患者の対応に当たりました。これを機に国境なき医師団の一員となり、現在は「人道支援家」として世界各地の紛争地帯などで医療活動に従事しています。「世界で活躍する看護師や国際看護師になりたいと考えている人が情報を共有し、仲間ができる場をつくりたいと考えていました。このサミットもその計画の一つです。自分を育て、支援してくれた上司や先輩がいる伊勢原キャンパスで第1回を開催できて感激です。参加者には、国際看護の現実を知った上で、将来の選択肢の一つとして考えてもらえればうれしい」と語ります。

学生たちは前日の会場設営と当日の受付け、会場案内を担当。八木里緒さん(4年次生)は、「看護師としてのキャリアや自分の生き方について考えていたこともあり、サミットの開催を知ったとき、“これだ!”と飛びつきました。“常に準備を怠らず、チャンスが来たらすぐにイエスと言える自分になれ”との言葉にも励まされ、展示ブースに貼られた『夢をかなえるスペシャルボード』には、“挑戦し続けられる人になる“と、強い思いを込めて書きました」と目を輝かせていました。

吉野純子准教授は、「看護師として世界に貢献する佐藤さんを応援するとともに、その活動をぜひ多くの人に知ってほしいと考えました。学生の国際的視野を養うことも本学科の目標の一つであり、学生たちが積極的に参加してくれたことをうれしく思います」と話していました。