6月3日に伊勢原キャンパスで、連続講座「平成29年度東海大学健康クラブ・市民健康スポーツ大学」の開講式を行いました。この講座は、東海大学と伊勢原市との協定に基づく提携事業の一つとして、市民の健康や体力の増進を目指して2009年度にスタート。近年は、本学が展開する「To-Collaboプログラム※」の一環として実施しています。体育学部と健康科学部の教員らで構成する「東海大学健康クラブ」のメンバーが講師を務め、栄養学や生活習慣病、認知症予防、社会保障制度などの講義や体力づくりのトレーニングなど72回にわたる講座を開きます。同市の広報を通じて募集した結果、今年度は50代から70代の63名(継続42名、新規21名)の受講が決定し、開講式には約50名が出席しました。
はじめに、本クラブの会長を務める沓澤智子健康科学部長が登壇。「ぜひ最後まで出席し、”自分のことは自分でできる”健康長寿を目指してください」とあいさつしました。続いて伊勢原市の宍戸晴一副市長が、「この講座を自分自身だけでなく、家族や地域の方々の健康づくりにも役立ててください。皆さんのご健闘をお祈りしています」と激励しました。最後に、中心となって本プログラムを運営している健康科学部の谷口幸一教授が、講座の趣旨や概要、これまでの経緯などを説明しました。
終了後には今年度の第1回目の講座を実施。本学大学院体育学研究科の修了生で、運動とスポーツ指導を行っている位髙駿夫氏(株式会社ハイクラス代表取締役)が、「運動の必要性を理解する」をテーマに講演しました。位髙氏は、要支援の原因となる関節疾患、衰弱、骨折・転倒を予防するためには運動やスポーツが必要であることを説明し、「家事などの強度の低い運動から筋力トレーニングといった強めの運動まで、バランスよく行うことが重要。”姿勢を正す””速く歩く”など、日ごろの心がけも大切です」と語りました。また講義の合間には、同研究科修了生の岡本尚己氏の指導のもと、受講者がグループに分かれて自己紹介を兼ねたゲームやストレッチに取り組みました。講座の終了後は会場を移して懇親会を行い、受講者同士や教員らとの親睦を深めました。
受講生の一人は、「病気をしたことを機に健康について真剣に考えるようになり、また、運動不足という意識もあって昨年度から参加しました。今年度は筋力をつけるため、やや強めのトレーニングに挑戦したい」と意欲をみせていました。なおこの日は、市民の健康づくり活動の実際を学ぶため、社会福祉学科の「地域保健福祉活動論」を受講している1年次生ら約10名も参加。「受講者の皆さんは積極的で、ゲームは楽しく和やかに進行しました。運動の必要性を学ぶと同時に、コミュニケーションの大切さも認識しました」と感想を話していました。
※「To-Collabo(Tokai university Community linking laboratory=トコラボ)プログラム
文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択されたプロジェクト。全国にキャンパスを有する本学ならではの「全国連動型地域連携活動」を柱に、地域特有の問題や共通課題を各学部、学生、研究者が共有し協力して解決策を見いだす取り組みです。