政治経済学部経営学科の岩谷昌樹教授のゼミが、7月30日と8月2日に夏季校外学習を実施しました。岩谷教授のゼミでは毎年夏に実際の生産現場を見て学ぶことを目的とした校外学習を行っており、今年は4年次生が7月30日にキリンビール横浜工場(横浜市鶴見区)を、3年次生が8月2日に日清オイリオ工場(横浜市磯子区)を訪問しました。
キリンビール横浜工場では、同社の主力商品である「一番搾り」がどのように作られているのかを、プロジェクションマッピングや巨大な仕込み釜の内部を映し出す最新の映像を見ることや、実際に原料として使われている麦芽やホップを手に取り、においを嗅いだり、味わったりする五感を使った体験で学びました。本学科で開講されている「経営特別講義」では年に1回、同工場の玉置貴一副工場長兼品質管理保証室長による「キリンビールの経営戦略とビールカテゴリーの魅力化」と題した授業を行っており、その講義内容で得た知見をさらに深める学習ができました。
日清オイリオ工場では、横浜スタジアム9個分もの広大な敷地を有する日本最大級の精油工場内をバスで回りながら、主力商品「日清キャノーラ油」の生産工程について説明を受け、途中下車して1分間に200本のボトルに油が詰められ、ラベルが貼られる工程を見学。油の原料には、オリーブやコーン、パームなどさまざまな植物が使用されますが、同工場では菜の花から取れる菜種油(キャノーラ)と大豆から取れる大豆油を用いており、中でも日本で最も多く使われているのは菜種油であることを学びました。同社の歴史や商品、海外展開、環境問題への取り組みなどが紹介されたギャラリーも充実しており、学生たちは熱心に見入っていました。
引率した岩谷教授は、「会社の活動は生産・流通・販売の3つに分けられます。1本の川に例えると、生産は水が生まれる山にあり、流通は水が流れる川にあり、販売は水が流れ出る海にあります。海(スーパーやコンビニ)には行きやすく、川(トラックでの運送)も目にしやすいですが、山(製造現場)には登ろうと決めなければ行くことはできません。そうした山登りをするかのように、自らの足で出かけて行って学び得ることは貴重な経験になります」と工場見学の意義を語っていました。