教育研究上の目的・人材像

教育方針

近年、本来研究者向けコンピュータ通信用のネットワークであったインターネットが、商用化の進展や使いやすいユーザーインタフェースを備えた安価なPCの登場などにより、爆発的に拡大・普及するようになってきた。全てがインターネットで転送できると言っても過言ではない状況となってきた。また、携帯端末および無線LANの急速な普及や高速無線サービスの誕生は、いつでもどこでも自由にインターネット上のサービスを受けることのできるユビキタス環境を実現するようになり、我々の生活を大きく変化させた。 同時に、利便性が高まると共に、ネットワーク上で悪意をもったユーザーが利己的満足のために、社会悪たる行為をすることが増えてきた。コンピュータウィルスの散布、悪意サイトへの誘導などによる情報盗聴、サービス否定攻撃、個人情報漏洩、詐欺などの横行は、技術的な防護策が強く求められている状況である。このようなネットワーク社会、ユビキタス社会がさらに発展していくことを勘案すると、デジタル通信技術とコンピュータネットワークに精通した人材の必要性はますます高まっている。この要望に応えるべき人材の育成は大学に課せられた大きな使命である。

通信ネットワーク工学科は、以上の背景を踏まえて、学生に対して、まず、自分たちが学ぼうとしているネットワークが、高い便宜性を提供すると同時にセキュリティ侵害などの課題も社会に及ぼす影響力が甚大であることをきちんと理解させ、技術力と同時に高い倫理観を涵養することを大きな教育方針として設定する。そのため初年次教育においては、大学生たるべき心構え、学びの姿勢、学生生活の過ごし方までを含めたきめ細かい指導を行っていく。同時に深い専門性を身につけさせるため、年次の若い時期から専門基礎教育を行い、徐々に深化させていく。また、座学と実験実習の有機的な連動を強化し知識とスキルの両面を鍛えていく。以上の枠組みを用いて、セキュリティを含むネットワーク技術、ソフトウェアを中心としたコンピュータ技術、通信システムに関する技術を実践的に活用できる人材を育成する。

教育目標

大学全入時代を迎え、多様な学生が同時に学ぶ状況にあり、専門技術を学び研究する前に大学生として何をなすべきか、どのような学生生活を過ごすべきかの指針を示す必要が生まれている。専門面では、インターネットはいまや社会に欠くべからざるインフラとなったことを踏まえて以下の留意点がある。すなわち、有用であるがゆえに反社会的行為も可能なインターネット技術に関わる通信ネットワーク技術者には高い倫理観が要求される。また、国境を越えてつながるネットワークに関連した業務を行い、外国製品を扱うことの多いネットワーク技術者には意思疎通のための最低限の語学力も求められる。一方、世界で最も巨大で関係する技術も多岐にわたるネットワークシステムは、幅広い技術的な素養(数学、物理学、回路技術、ソフトウェア、プログラミング技術など)と深いネットワークに関する専門知識の双方が要求される。また社会において即戦力たり得るための実践的能力も必須となる。以上のことから、本学科では次の教育目標にもとづき、教育を行う。

  1. (1)大学生活を充実しておくることができるように、初年次から少人数のゼミ形式により、勉学面、生活面での徹底的なケアを行う。これにより大学生としての心構えを身につけさせる。
  2. (2)通信ネットワーク技術者は、インターネットという、有用でありながらセキュリティ上の課題も併せ持つ社会的に大きな影響をもつインフラを取り扱うため、初年次教育において技術者としての倫理観、文明論、技術の背景にある歴史など、通信ネットワーク工学の背骨たる思想と教養、倫理観を身につけさせる。
  3. (3)初年次から、通信ネットワーク、インターネットの学科として最重要視する専門の基礎を学ばせ、年次上昇に従い内容を深めていくと共に、座学に対応した実験科目も充実することにより、深くかつ広く実践的なネットワーク技術を学ばせる。
  4. (4)ネットワークを含むIT技術者に必須のソフトウェア技術について、初年次から順次年次に従い内容を深め、演習を通じた実践的プログラミングスキルを身につけさせる。
  5. (5)ネットワークを支える通信技術についても応分の時間での教育を行い、幅広い知識を身につけさせる。
  6. (6)ネットワークは国際的につながり、また使用される機器も外国製が多い。そのため、海外技術者との意思疎通や機器操作方法の理解に必須の実用的な英語力を身につけさせる。

通信ネットワーク工学科が養成しようとする人材

本学科では、幅広い教養と高い倫理観を身につけ、ネットワークおよびコンピュータに関する基本的知識をきちんと把握した上で専門領域を深めたネットワーク技術者を養成する。養成目標とする人材像としては以下を設定する。

  • 社会基盤としてのネットワークを扱う技術者として必要不可欠な高い倫理観と社会常識を身につけた人材
  • 英語発表能力、技術的討論能力を持ち、さらには企業文化との接触を通して、社会の中で通用しうる一般能力を身につけた人材
  • ネットワークの不正アクセスやコンピュータウィルスに対応できる高いセキュリティのネットワークを設計できる人材
  • 通信・ネットワーク機能を組み込んだ製品の設計や開発を行うことの出来る人材
  • ネットワークを利用した企業情報システムを構築できる人材

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