教育研究上の目的・人材像

21世紀の重要な課題は、環境破壊や人間性の喪失といった現代社会の諸問題を解決し、人間と自然環境が調和した美しい生活環境を創造することである。大量生産を前提とした機械化や効率化によって生まれた高度な産業社会は、一方では個人の創造性を減少させ人々のライフスタイルを画一的なものとしてきた。これからの社会は、地域や個人の個性を生かしながら、 様々な文化を尊重し、環境調和を図りながら豊かな暮らしを築いてゆく人間中心の体系に転換することが求められている。エコロジー・エネルギー・ゴミ処理など環境問題への対応が日常化し、高齢者など社会的弱者への配慮や市民参加などが不可避のテーマとなった。

デザインは、「技術」「科学」「芸術」「経済」という要素を社会が求める目的のために統合する性質を持ち、思想と実践の活動を重ね存在価値を築き上げてきた。新しい社会における人間生活のありかたを形づくる活動として「デザイン」はあるものの、これまでの職能に狭く特化した技能者養成というデザイン教育ではグローバル規模で変化する社会に応えられなくなっている。

このような背景を踏まえ、「デザイン」を「文化」として捉えることにより、あらゆる生活の質の向上に寄与すると共に、国際的広がりを求め、産業、スポーツ、観光、まちづくりなど幅広い分野へ貢献することを目指すものである。その実現のために、フィールド指向の実践的教育を通して、国際的な視点でデザインという知恵や技術を活用し、新しい生活文化創造のために行動できる人材を育成する。

教育目標

“人間と自然環境が調和した美しい生活環境の創造” に取り組むために、デザインの歴史や理論を通してデザインと文化の係わりを理解できる力、広範な視野でデザイン能力を身につけ、デザインによる可能性を提示できる力、新しい生活文化の創造へ向け、デザインの能力を発揮することができる力を培うことを教育目標とする。

この目標達成に向けて、効果的な履修を進めるため、科目区分Ⅳ主専攻科目のなかで学科が独自に開講する科目を「デザイン入門科目」「デザイン技能科目」「デザイン文化教養科目」「企画構想科目」「デザイン実践科目」「デザイン統合科目」「ゼミナール・卒業研究」に細分している。また、区分Ⅴ自己形成科目に学科専門科目の応用にあたる「主専攻発展科目」を設けている。

1年次に必修科目「デザイン文化概論」の履修を通して、デザイン文化全般に関する基礎知識、デザイン技能科目の学修と共に、高学年次での専門教育に向けた興味・関心を喚起する。2年次は、必修科目「企画構想論・同演習」や企画構想科目の履修を通してデザインの活かし方の基本を学修し、デザイン文化教養科目などの講義科目と実験・実習科目の同時履修を通して段階的学修を図っていく。3年次は、デザイン実践科目やデザイン統合科目を学修し実践力を磨き、ゼミナールでデザイン文化についての考え方を確立させる。4年次は、各研究室ごとでの卒業研究の履修を通して、デザインという知恵や技術を活用し、新しい生活文化創造の実践力に一層の磨きをかける。

学びの特徴・特色

  1. 1.企画構想科目をコアとしたカリキュラム

    思考のスキル、コミュニケーションのスキル、デザインのスキル、デジタル表現のスキルを、総合的に活用するためのカリキュラムとなっている。

  2. 2.フィールド志向の実践の学び

    教室の講義だけでは不十分なため、教室から出て、実際のフィールドで現実と関わるための人間力の育成を重視し、活きたデザイン力を身につける。

  3. 3.二つのスキルを磨く

    感性や手を使ったスキルを磨くと共に、各種機器やアプリケーション・ソフトウェアを柔軟に使いこなすスキルにも重点を置く。“ことづくり” “ものづくり” の体験を可能とし、感性と技術、フィジカルとデジタルの両方のスキルを活用する能力を育成する。

  4. 4.北欧諸国での留学・研修

    北欧諸国のデザイン系大学とも学術交流協定を結んでいる。このネットワークを活かした国際交流を通じて、今後、さらに求められるエコやサスティナブルな暮らしを支えるデザインを学ぶ。

デザイン文化学科が養成しようとする人材

国際関係や産業構造、職能を取り巻く環境の変化の中で、既存の専門領域で求められる能力やニーズが大きく変化しており、デザイン専門領域における職能が劇的に変化している。社会が求めるコミュニケーション専門家としてのデザイナー、あらゆる産業分野で時代を開拓できる人材が求められている。

フィールド指向の実践的教育を通して、国際的な視点でデザインという知恵や技術を活用して、新しい生活文化創造のために行動できる実践力を備えた人材を育成する。そのためにデザインの歴史や理論を通してデザインと文化の係わりを理解することができる「デザインと文化の係わりを考える力」、広範な視野でデザイン能力を身につけ、デザインによる可能性を提示できる「デザインの知恵や技術を高める力」、新しい生活文化の創造へ向け、デザインの能力を発揮することができる「デザインを活用し企画提案する力」、これら3つ力の修得を目指す。

卒業後の進路

卒業後の進路としては、デザインを用いて企画提案する幅広い分野の職種が考えられ、地域社会の新しい生活文化創造に貢献するべく、行政機関等や企業の企画部門、広告・広報部門や、グラフィックデザイン分野・インテリアデザイン分野・プロダクトデザイン分野のデザイナー、プランナー、ディレクター、プロデューサー、コンサルタントなどクリエイティブな職種等への進路が考えられる。また、一般企業や地域社会などで様々な企画提案やその実現を行うコーディネーター、プロジェクトマネージャなどが考えられる。

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