三河湾研究成果報告会を開催しました

海洋学部では、大学共同利用機関法人総合地球環境学研究所のエリアケイパビリティープロジェクトと共催で、3月12日に西尾市内の東幡豆漁業協同組合事務所で三河湾研究成果報告会を開催しました。本学部の教員と学生が三河湾の海洋生物や環境教育に関する研究活動を地元の方々に紹介しようと毎年開いているものです。

当日は、地域住民ら36名が参加。同研究所の石川智士教授の司会のもと、まず東幡豆漁業協同組合の石川金男組合長があいさつし、「東幡豆漁協や海洋学部、地球研の活動が地域住民の環境理解につながることを期待しています」と話しました。研究報告では、水産学科の土井航講師が、「三河湾の東幡豆干潟に生息する希少カニ類の生活史」をテーマに砂地に潜るカニや、ゴカイの棲管に共生するカニについて発表。続いて登壇した海洋生物学科の堀江琢講師は、アカエイがつくる穴の大きさや数を調べて、東幡豆干潟に来遊する個体数を推定した研究結果とともに、アカエイの今後の利用方法や対策について紹介しました。環境社会学科の仁木将人教授と齋藤論理さん(4年次生)は、「東幡豆周辺で調べた溶存酸素濃度の変化」「気象海象条件から東幡豆で貧酸素水塊が発生するメカニズム」についての考察を発表し、環境社会学科の李銀姫准教授は、東幡豆における地域活性化案として、魚食処、体験型観光、民泊経営などを提案した研究に関するポスター発表しました。研究報告の後には、石川教授と海洋文明学科の川崎一平教授が、三河地方の地域住民や漁協、行政、研究者らのネットワーク構築を目指す「三河コンソーシアム」について紹介しました。

閉会のあいさつでは、長年にわたって三河湾における本学部の研究を支援してきた千賀康弘学部長が三河地方出身である自身の経験談とともに、「地域の環境や文化のすばらしさは、外部からの目があって初めて気付かされることが多い」と話しました。

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