人間環境学研究科の原田非常勤講師が国際会議で表彰されました

大学院人間環境学研究科の原田亮非常勤講師が2月16日に、インドのエネルギー・環境財団による国際会議「World Future Fuel Summit2021」(後援:インド政府)の水素部門で表彰されました。この国際会議は、世界共通の課題である地球温暖化について、その原因とされる化石資源燃料低減に向けた研究成果・情報を各国の研究者同士が共有するために開催されたものです。今年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、アメリカ、カナダ、ブラジル、イギリスなど約20カ国から研究者たちがリモートで多数参加。地球温暖化を阻止するための対策や二酸化炭素のエネルギー転換技術について13のセッションごとに発表が行われたほか、8部門の表彰者が選出されました。

水素エネルギー部門で選出された原田非常勤講師は、産業技術総合研究所や株式会社東芝などで30年以上にわたり、水素エネルギー技術の研究開発と普及活動に従事。本学でも教養学部人間環境学科自然環境課程の内田晴久教授の研究室や総合科学技術研究所の一員として研究に取り組み、2年前にはチェコ共和国との水素エネルギー研究交流会を開催しました。今回の受賞はこれまでの功績や、研究を通じた諸外国との交流が評価されたものです。会議では、日本の水素エネルギー技術をプレゼンテーションし、これまでの実績などを紹介。また、化石資源に代わるエネルギーとして、インドでの水素エネルギーの活用例を提案しました。

原田非常勤講師は、「これまでの研究や活動を評価していただき、驚きとともにとてもうれしく思います。海外の研究者仲間から次々と送られてくるお祝いのメッセージを読んで、大きな賞をいただいたのだと実感しました」と振り返ります。また、「日本には化石燃料などの1次エネルギーが少なく、現在も海外からの輸入に大きく頼っていますが、水素エネルギーであれば世界のあらゆる地域で生産することが可能となり、エネルギーを巡る紛争もなくなりサステイナブルな社会が構築されるでしょう。今後は、水素エネルギー技術が波及することで地球温暖化を防止し、平和な世界を目指す社会科学の研究にも取り組みたいと考えています。産総研や東海大学の平和戦略国際研究所などと協力し、新たな視点から研究していければ」と展望を語りました。