札幌ボランティアプロジェクトが児童向けの環境教室を実施しました

札幌キャンパスで活動する東海大学スチューデントアチーブメントセンター・札幌ボランティアプロジェクトが12月2日に、札幌市南の沢小学校で開催された地域ふれあい事業「集まれ!みんなで遊ぼうよ」(主催:南沢地区青少年育成委員会)で、ヒグマの生態を教える環境教室を実施しました。本キャンパスと同小学校がある札幌市南区南沢地区ではヒグマの出没が相次いでおり、9月25日には本キャンパスにも出没したことから、プロジェクトメンバーたちはヒグマの生態や出没要因などについて10月から学習を開始。同月の28日には、ヒグマの出没防止対策としてキャンパス内緑地の除草活動も行っています。

今回は、南沢地区青少年育成委員会にも所属するプロジェクトメンバーの3名が本イベントの開催を聞き、「プロジェクトとして参加したい」とヒグマの生態学習教室を企画。メンバー間での勉強会や、東海大学北海道地域研究センターの課題として、札幌キャンパス周辺においてヒグマとの共生を考えるために啓蒙活動に取り組んでいる生物学部生物学科の河合久仁子教授や国際文化学部地域創造学科の内山幸子教授に相談して当日の資料を作成しました。また、11月25日には職員の子どもを対象にリハーサルも行い、正しい知識を児童に易しい語彙で説明できているか確かめたうえでイベントに臨みました。

当日は、児童や保護者ら約80名が来場。開会式では、リーダーの髙橋拓輝さん(生物学部生物学科2年次生)が、ヒグマの生態や行動範囲、遭遇時の対処方法について講演しました。その後の「東海大生と遊んで学ぼう」では、「ヒグマミニゲーム」としてヒグマに関する○×クイズを行ったほか、「ヒグマの会※」から借りた毛皮の標本をはじめとする「トランクキット」の展示を実施。また、同プロジェクトが環境保全活動の一環で集めたペットボトルキャップを使ってクリスマスツリーの工作も行いました。参加者は、「ヒグマの毛は思っていたよりも硬くてびっくりした」「講演では子どもたちにわかりやすいように説明してくれて、保護者としても新しく知ったことも多かったのでよかったです」と話していました。南沢地区青少年育成委員会の田浦祐治会長は、「学生目線でイベントを盛り上げてくれて大変ありがたかった」と語りました。

メンバーの吉田大和さん(同)は、「教員を志望しているので、子どもたちに物事を教える機会が得られたのは、将来に向けてもいい機会になりました」とコメント。高悠眞さん(同1年次生)は、「正しい知識を分かりやすく、いかに楽しく伝えるか試行錯誤しました。前日まで調整してきたので、“楽しかった”と言ってもらえてよかった」と話し、初田晟二郎さん(同)は、「毛皮の実物に触れる機会はこれまでなかったので勉強になりました」と語っていました。リーダーの髙橋さんは、「ヒグマは私たちのすごく身近なところに生息していますが、被害を防ぐためには、ヒグマの生態や適切な対処法といった、正しい知識を身につける必要があります。今回のイベントでそれが子どもたちに少しでも伝わっていればうれしい」と話していました。

※「ヒグマの会」について 
1979年設立以来、研究者や狩猟者、農家、行政そして一般市民らが集まり、幅広い立場から「ヒトとヒグマ」の関わりを考え、調査や提言を行っている組織です。今回、札幌ボランティアプロジェクトが借用したトランクキットは、教育・啓蒙活動のために「ヒグマの会」が無料貸し出しを行っているもので、本物のヒグマの毛皮、頭骨、ヒグマの実物大を示したフラッグポスター、ヒグマやエゾシカがどう歩くかを示した教材、ヒグマの食べ物とそれを食べた後の糞の写真などが含まれています。
「ヒグマの会」公式HP:https://www.higumanokai.org/

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