工学部の岩森教授が技術者向けのリカレント教育講座を実施しました

ユニバーシティビューロ―の岩森暁ゼネラルマネージャー(研究担当・工学部教授)が10月29日に、古河電気工業株式会社平塚事業所でリカレント教育講座を実施しました。東海大学では昨年、大学の知識や技術を社会に還元し、産業界の人材育成に寄与することを目的に、企業の技術者が仕事に役立つ技術や知識を学ぶための「リカレント教育」のコーディネート事業を行う株式会社フォーラムエンジニアリングと、エンジニア育成研修のための提携に関する契約を締結。講座は本学のシラバスをもとに、企業から要望があった科目を実施するもの。昨年から開始する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により延期していました。

今回は、電子部品材料の開発に携わる技術者4名を対象に、機械工学科の開講科目「機械材料」と大学院工学研究科の開講科目「機械材料学特論」の講義の一部を抜粋して実施しました。岩森教授は、「基本的には学生向けの授業と同じ内容ですが、今回は私自身の専門分野と同じ領域に携わられている方々だったので、後半は受講生と協議し、より専門的な内容の講義を行いました。リカレント教育では入門編のニーズが高いと想定されますが、受講者の希望される内容に沿って進めることが望ましいと考えました。また、近年は技術職でも1人の社員に求められる仕事の幅が広く、大学卒業後、部署異動により久しぶりに大学時代の専攻に近い仕事をするようになるということはよく聞かれることです。大学で電気系の勉強をしていた方が入社後に化学系の研究・開発職に就くというケースも珍しくありません。本学には幅広い分野の学部学科があるので、企業からの要望に対して柔軟に対応できると考えています。今後も企業からの依頼を受けた際には教員と相談の上対応し、キャンパスでの開講以外にも、将来的にはオンライン方式の講義の開講なども、フォーラムエンジニアリング社と検討することができれば」と語りました。

稲津敏行副学長(理系担当)は、「教育・研究だけでなく社会貢献も大学の使命の一つであり、リカレント教育は1回限りで終わらせず、継続して実施していけるよう契約を結びました。まだ制度としては仮の状態ですが、将来的には全国7キャンパスに多様な学部学科を有する総合大学として、さまざまな講座を展開していきたいと考えています。例えば、コロナ禍により遠隔授業が増えたため、湘南キャンパスの教員による授業動画を熊本県の企業に視聴してもらうこともできるでしょう」と展望を語ります。また、来年度に予定している全学的な改組改編では社会科学系の学部を東京キャンパスに設置することから、「リカレント教育実施のノウハウを蓄積していきたいと考える大学は非常に多い。本学でいうと、都市部で働く社会人を対象に観光学や経営学などのリカレント教育を開講できれば、東京キャンパスが社会人にとってのゲートウェイにもなると期待しています。地の利を生かし、大学の知識と技術を社会に還元していきたい」と語っています。