アジア学科が「知のコスモス」講演会「ピートリー博物館とツタンカーメン・プロジェクト」を実施しました

文化社会学部アジア学科では6月29日に、湘南キャンパスで「知のコスモス」講演会「ピートリー博物館とツタンカーメン・プロジェクト」を開催しました。講演はロンドン大学ピートリーエジプト・スーダン考古学博物館学芸員のアナ・ガーネット博士により英語で行われ、古代オリエント博物館の田澤恵子氏が逐次通訳しました。平日の17時過ぎからの遅い時間にもかかわらず、教員や学生、一般市民ら約65名が参加しました。

ガーネット博士は初めに、エジプト学の歴史はロンドン大学の歴史でもあることを説明。19世紀に女性考古学者として活躍したアメリア・エドワーズから後に「エジプト考古学の父」と呼ばれるようになったウイリアム・フリンダース・ピートリーにつながるエジプト学研究の資料がすべて博物館に収蔵されていることを紹介しました。また、世界有数のコレクション数を誇る博物館の「知の集積」を広く社会に広めるために、古代エジプト文字「ヒエログリフ」の解明200周年を記念したプロジェクトや、ツタンカーメンの墓が発見されてから100周年を記念したプロジェクトなど、さまざまな企画が行われていることも紹介。今回の講演では、その中でもツタンカーメン・プロジェクトを取り上げ、博物館に収蔵されている同王の関連遺物を活用したアウトリーチ活動について話しました。

ガーネット博士は、「ピートリー博物館では、多様な年代の人々に来館してもらうため、女性や子どもをターゲットにしたプロジェクトに加え、独自のキャラクターによる遺物の解説など、さまざまな工夫を凝らしています。収蔵しているすべての遺物はオンラインでも確認ができますが、ロンドンにお越しになった際にはぜひ足を運んでみてください」とまとめました。

講演後には質疑応答・意見交換も行われ、古代エジプトやスーダンの最新の研究動向や、関心を寄せているエジプト文化や遺物などについて多くの質問が寄せられました。