「第1回精密工学科ハンドスピナー選手権」を開催しました

工学部精密工学科の窪田紘明講師が担当する3年次生の授業「精密システムデザイン」で1月19日に、「第1回精密工学科ハンドスピナー選手権」を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて多くの授業が遠隔になる中、オンラインでも実際のものづくりを体験してほしいと企画しました。中央のベアリング部分を2本の指で持って回転させる「ハンドスピナー」の製作に取り組むもので、履修学生たちは、11月から4、5名のグループに分かれてデザイン案を出し合って構想を進め、続いて各自が人間工学や流体力学、機械力学などの知識を生かして改良を重ねてきました。それぞれのアイデアを込めた設計データに沿って株式会社JMCが3Dプリンターで部品を作成。学生たちは組み立てたハンドスピナーに重りをつけるなどして完成させました。

当日は約30名の学生がオンラインで参加し、7つのグループごとにハンドスピナーを回す時間を2回計測。よい方の記録を個人のタイムとし、団体部門ではグループの平均タイムが76秒だった「チームイカロス」が、個人部門では360秒(6分)をマークした黒澤玲音さんが優勝しました。また、力学デザインや意匠デザインに優れた作品を選ぶグッドデザイン賞も選出。最大直径110mmで500円玉と100円玉計1万4000円分を重りとして入れる「遊べる財布」をデザインした江幡克海さんと、蝶をモチーフに製作した川部裕貴さん、犬のおもちゃをイメージして骨の形で設計した小川渓人さん、空力を最優先に考え軽量化した中村太亮さんが受賞しました。

市販の金属でできたリングを重りとして取りつけてタイムを伸ばした黒澤さんは、「選手権で1位になるという目標に向かってみんなで切磋琢磨しながら考える時間はとても有意義でした。ヤスリで削ったり、重りを変えたりすることで、どのように回るかを自発的に考え行動できたので身に着くものも多かった」と語りました。指導にあたる窪田講師は、「一言にハンドスピナーを設計するといっても、空力を優先した人や重りを重視した人、意匠デザインにこだわった人などさまざまで、これまでの学びを生かしてくれたと感じています。すぐにでも商品化できるのではと感じるこだわりの作品もあり、オンライン授業の新しい形を示せたのでは」と話しています。