小田急電鉄と連携した「小田急寄付講座」の成果発表会を行いました

健康学部健康マネジメント学科では、小田急電鉄株式会社と連携した「小田急寄付講座」の成果発表会を1月20日にオンラインで行いました。これは小田急が社員を対象に未来フィールド構築への対話の場として行っている「未来カフェ」と共催して実施。昨年4月にスタートした本講座は、沿線住民の健康寿命の延伸をテーマにビジネスを構想する小田急と、「アンチエイジング」の研究や実践に取り組む本学科の石井直明教授が協働し、湘南キャンパス5号館に設けられた「小田急寄付講座オフィス」を拠点に授業や調査・研究を行うものです。今学期は「フィールドワークB」の授業を履修する学生が健康増進のためのスマートフォンアプリの開発研究に取り組んできました。

WEBビデオ会議システム「Zoom」を使って行った会には小田急の社員や本学部の教員ら約90名が参加しました。初めに小田急電鉄経営戦略部の古住博氏が「小田急のヘルスケアビジネスのこれから」を考える視点を提示し、本学と連携する意義について語った後、石井教授が「コロナに負けないからだづくり ~沿線住民の健康寿命延伸の取り組みと合わせて~」と題して講演。石井教授はこれまでの研究成果や産学連携、本学部での学びの紹介に続いて新型コロナウイルス感染症の概要について「これまでに1億人近くが感染し、死者は204万人に上ります。新型コロナは鼻腔や口腔の細胞に侵入し、一部は肺まで到達することや血管細胞に侵入することもあります」と話し、後遺症や変異株を解説。「新型コロナは接触感染が50%を占めることから、予防には手洗い、うがい、アルコール消毒が有効です。喉にある繊毛は潤すことで動きが活発になり、外から入ってきた異物を押し出すので、部屋の湿度を上げ、こまめに水分補給をすることも大切」と呼びかけました。

続いて小曾根瑞希さん(3年次生)と勝尾遥さん(1年次生)が考案したアプリについて、「健康に関する情報やレシピ、エクササイズ動画などを掲載したいと考えています。体温計や体重計などの測定機器と連動してアプリに自動で記録されることで記入忘れを防ぎ、一人暮らしの高齢者の情報を遠く離れて暮らす家族にも共有することで『見守り機能』としても活用できます。オリジナルキャラクターがアドバイスを送り、目標達成やイベント参加などに応じてポイントが付与されるとやる気も出るのでは」と説明。スマートフォンを持っている全世代を対象としていることから、参加者からは「デザインを利用者の好みに合わせて変えられるのがよい」「記録やデータを蓄積し、歴史を刻めるアプリという点が魅力」「事前の準備がしっかりしていてよくまとまった発表」といった感想が寄せられました。今後、学生のアイデアをもとにアプリの開発に取り組んでいく予定です。