健康学部健康マネジメント学科では10月28日と11月11日に湘南校舎で、精神保健福祉士援助実習報告会を開催しました。精神保健福祉士は、心に病を抱えた人がスムーズに生活できるように、相談や生活支援、助言、訓練、社会参加の手助け、環境調整などを行う仕事です。国家資格を取得するためには、医療機関と民間の施設や行政機関等の両方で210時間以上の実習が必要です。報告会は、4年次生計18名が7月から9月までの期間でそれぞれが取り組んできた内容を発表し、同じ資格を目指す仲間や後輩たちと成果を共有するものです。10月28日は医療機関、11月11日は地域・行政機関での実習について報告し、次年度の実習に参加する3年次生や教員、実習先の指導者らが聴講しました。
11月11日は、地域・行政機関で実習した学生が登壇。精神障害者の就労支援を行う機関で実習した学生は、症状を緩和するために音楽やラジオをよく聞いている利用者と接し、「何気ない行動も病気と向き合うための手段なのだと感じました。薬物療法がすべてではなく、音楽を聞いたり、おいしいものを食べたり、その人に合った方法で症状を緩和できると理解が深まりました」と話しました。地域活動支援センターで実習した学生は、「授業では『なぜ』という質問が相手に威圧感を与えやすいと学びましたが、『なぜ』という視点を持って接し、質問の仕方を変えて問いかけることも必要だと感じました」とコメント。障害者地域活動センターで実習した学生は、「施設の中では障害を持つ自分として認められ、安心して過ごせているからこそ、一般社会で味わった生きづらさや思いを打ち明けてくれました。当事者の実態を伝えることもソーシャルワーカーの役割」と決意を語っていました。
オンラインで聴講した実習先の指導者からは、「利用者がどういう状況でそこにいるのか、ストーリーに思いを馳せることでかける言葉も変わってくるはず」といったアドバイスや、「普段、積極的に人に話しかけない利用者が学生さんに声をかけ、楽しそうに話している姿が印象的でした。実習が終わってしまったことを残念がっている人もいました」「職員の対応などを細かく観察し、分析して、悩みながらも振り返りながら過ごした実習は、自己覚知につながったのではないでしょうか」といった感想が聞かれました。指導にあたった長沼洋一講師は、「実習を経験したことで、大学の授業で得た知識が現場でどのように生かせるのか、自分には何ができるのか、今後どういった知識や技術が必要なのかを発見できたと思います。報告を聞いて、実習前のグループワークなどでは見えなかった一人ひとりの個性や強みを垣間見ることができ、実習を通して成長してくれたと感じました」と話していました。