人間環境学科の学生たちがい草を中心とした総合インテリアメーカー「イケヒコ・コーポレーション」との連携事業に取り組んでいます

教養学部人間環境学科の岩本泰教授のゼミで4月27日に、い草製品・畳・こたつ・ラグ・寝具製品を中心にインテリア商品の開発・製造・企画・販売を展開する総合インテリアメーカー「イケヒコ・コーポレーション」とのオンラインミーティングを実施しました。同社では、「Natural Life自然に暮らそう」をテーマとして、未来の快適空間を創造をめざし事業展開していますが、近年は住宅様式の変化や栽培農家の離農が増え、国産のい草が年々減少していることから、若い世代への周知と新商品の企画開発を目的として岩本教授に協力を依頼。自然環境の持続可能性や地方創生について研究している本学学生たちが、今後い草を用いた商品企画やプロモーション案を検討していく予定です。

初めに、イケヒコ・コーポレーションの担当者がい草の歴史や特徴を紹介しました。い草は高温多湿な日本の気候に合った素材であり、吸湿性や放湿性に優れていることからエアコンの使用を減らす効果が期待されるほか、耐久性も高く大量生産・大量廃棄とは一線を画すサスティナブルな素材であると説明。「近年は価格競争のため、さまざまな日用品を中国などに外注する企業が増えています。日本は出来上がったものを買うだけになり、このままでは国内産業が衰退してしまいます。地場産業を守るためにも、国内での生産を維持していきたい」と語りました。

続いて、い草の収穫過程や、現在販売している商品の制作工程、コスト構造なども説明し、学生たちが商品化にあたっての意見やアイデアを議論。若い世代に向けたアプローチをテーマに、「商品説明にキャッチ―なフレーズがあると印象に残りやすい」「SNS上で写真のコンテストを企画したら面白いのでは」「シンプルなインテリアが好きなので、い草本来の緑色以外を選べるとうれしい」など、さまざまな意見を交わしました。また、商品のプロモーション案としてSNSや動画制作などの活用方法についても意見を交換しました。岩本教授は、「授業で“持続可能な社会づくり”と話していても抽象的だと思いますが、具体的な商品を例にとって暮らしを豊かにする方法を考えると身近に感じられると思います。い草がなぜ衰退していったかなど、素朴な疑問から考えを広げていき、どうすれば消費者に商品の魅力が伝わるのかを考えてみてください」と語りかけました。今後は、オンラインミーティングや若い世代への市場調査などを通じて企画を練り、商品開発や販売促進のためのプロモーションの実践を目指します。