医学部看護学科では9月7日に伊勢原キャンパスで、付属相模高校の生徒を対象とした「高校生のための医療セミナー」を開催しました。医療職への理解を深めるとともに進路を考える機会にしてもらおうと、「医学科・看護学科連携プロジェクト」の一環として展開しているものです。「医療の魅力」をテーマとした今回は、医学部付属病院の医師や看護師キャリア支援センターの看護師らが講師を務め、講義や演習、病院見学を実施。医療従事者を目指す2、3年生29名が参加しました。
初めに、医学部付属病院高度救命救急センターの青木弘道医師が、救急医療の歴史や緊急度に応じた医療体制、多職種の連携によるチーム医療の意義について解説。ドクターヘリによる救命や洋上救急への協力といった幅広い医療活動も紹介しました。診療技術部栄養科の石井宏明科長は、管理栄養士の役割や患者さんに応じた食事を安全に提供するシステム、病棟や外来での栄養指導といったチーム医療の一員としての取り組みについて説明。看護師キャリア支援センター主任教員の中嶋康広看護師は、救命救急現場での看護師の役割や災害時における自助・共助の重要性について説明し、三角巾を使った応急手当の方法と負傷者の搬送法を指導しました。また、相模高校の卒業生で、本学健康科学部看護学科(現・医学部看護学科)を経て高度救命救急センターで働き、現在は看護師キャリア支援センターで救急看護認定看護師の資格取得を目指して学んでいる内藤千咲看護師も、経歴や仕事のやりがいについて語りました。
ランチョンセミナーでは、看護学科4年次生の中塚大翔さんが学生生活を紹介。看護師を目指した理由や各年次のカリキュラム、病院実習についても説明しました。病院見学では、教員が付属病院の高度救命救急センターやドクターヘリを案内し、各部署の担当者が業務をレクチャー。薬剤部では、薬剤師が薬の管理や調剤について説明し、医師の処方に基づき正しく安全に薬を提供する重要性について語りました。高校生からは、「患者さんのために努力し続ける医師や看護師の姿勢に感動しました。信頼される医療従事者になれるよう、真剣に学びます」「講義や病院の見学を通じて、自分が目指す医師像が明確になりました」「どんな分野に進むにしても、目の前の倒れた人を助けられる自分になりたい」といった感想が聞かれました。
企画・運営を担当した岩本敏志講師は、「今回は、患者さんの回復や疾患の予防に直結する栄養管理と薬剤管理についても学ぶことで、医療の現場を総合的に捉え、多職種によるチーム医療の意義をより深く理解してもらえたと思います。生徒たちには、自らが選んだ医療分野にさらに興味を持つとともに、未来の医療従事者としてさまざまな経験を積み、視野を広げてほしい」と話していました。