医学部医学科と看護学科が付属病院と連携し、モデル人形を使ったドクターカーでの救命救急シミュレーションを実施しました

医学部医学科の本多ゆみえ講師(総合診療学系救命救急医学)と看護学科の今泉郷子学科長、大山太准教授らが付属病院高度救命救急センターと連携し、実習モデル人形を使ったドクターカーでの救命救急シミュレーションを10月31日に実施しました。このシミュレーションは、看護学科がこのほど導入した、胸骨圧迫や心停止前の病態把握といった高度な救命救急処置の訓練が可能な人形を用いた初めての取り組みです。本多講師らは医学科の教材とするため、医師らによる救命救急処置をVRカメラで撮影。大山准教授が担当する授業「救急・災害看護論」を受講する看護学科の学生が、処置の様子を見学しました。

本シミュレーションでは、ゴルフ場で胸痛を訴えた患者や交通事故で外傷を負った患者をドクターヘリで医療機関に搬送するまでの一連の活動を想定。ドクターヘリで現場に到着するまでのブリーフィングや準備に続き、ドクターカー内での医師による気管挿管や、看護師、救命救急士による心臓マッサージ、除細動器の使用、外傷の確認と応急処置といった医療活動の様子を撮影しました。

看護学科の学生たちは熱心に見学した後、教員らの指導を受けながらドクターカー内で人形を使った心臓マッサージなどを体験。岡あやねさん(4年次生)は、「各スタッフが、迷わず的確にそれぞれの役割を果たしていく緊張感のあるシミュレーションを見て、ERの看護師になりたいという気持ちがさらに強くなりました」と目を輝かせ、土屋明日香さん(同)は、「もし自分がその現場にいたら、と想像しながら見学しました。胸骨圧迫は授業で学びましたが、リアルなモデル人形で行うと感覚が違って驚きました。一つひとつの技術を確実にマスターしていきたい」と意欲を語りました。

本多講師は、「VRの特長は、映像をさまざまな視点から見て、現場を疑似体験できること。今回撮影した映像により、ドクターカーという限られた空間の中で、医療従事者の安全を確保しながら患者さんの命を救うための知識や技術を、繰り返し学んでもらえます。VRを用いた授業に対する学生の反応は非常によく、医療従事者の育成のためにも有効なツールだと感じています。看護学科と共同した今回のシミュレーションは多職種連携の視点からも重要だと考えており、今後も協力してより充実した授業を展開したい」とコメント。今泉学科長と大山准教授は、「学生たちにとって、本や映像でしか知らなかった救急医療の最前線を体感する貴重な体験になったと思います。これからも医学科や付属病院と連携し、モデル人形を活用した効果的な教授法について研究・実践していきます」と話していました。