医学部付属病院で「難病講座」を開催しました

伊勢原キャンパスの医学部付属病院で1月20日に、「難病治療の新しい動向―難病講座①―」を開催しました。本病院は神奈川県から「難病医療連携拠点病院」の指定を受けて難病治療研究センターを設置し、原因不明で治療法が確立されていない難病の治療に関する研究を推進するとともに、患者や家族の医療相談、医療従事者の研修などに取り組んでいます。この講座は、治療や療養に役立つ最新情報を提供するため、本センターが企画・実施しているものです。今回は、「再生不良性貧血」「特発性血小板減少性紫斑病」について専門の医師が講演。約50名が参加しました。

開会に先立ち、本センター長の佐藤慎二教授(リウマチ内科診療科長)が、「この講演会が、皆さまの病気の理解の一助になれば幸いです」とあいさつ。続いて、司会を務めた小川吉明教授(副院長、血液腫瘍内科診療科長)が2名の講師を紹介しました。

初めに、本病院血液腫瘍内科の白石佐和子助教が、「再生不良性貧血について」をテーマに講演。造血幹細胞の異常により血液中の白血球、赤血球、血小板が減少する再生不良性貧血の病態や診断法、重症度に応じた治療法について説明し、「輸血が必要な状態になるまで治療を躊躇される方が少なくありません。より効果を得るために、可能な限り早期に治療を始めることが重要です」と語りました。

続いて、三井記念病院血液内科の白杉由香理科長が、「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)とともに生きるためのTips」と題して講演。血液中の血小板のみが減少し、粘膜出血などを引き起こす自己免疫疾患であるITPの診断法や薬物治療、外科治療について説明し、「重篤な出血を予防できる血小板数の維持が治療の目標になります。患者さんと医療従事者との間でしっかりとゴールを共有し、二人三脚で向き合うことが大切です」と結びました。各講演後には、演者が参加者からの質問に丁寧に回答しました。