中高生を対象にした「東海大学スポーツサイエンススクール」を開催しました

体育学部とスポーツ医科学研究所では3月28日に、湘南キャンパスで中高生を対象にした「東海大学スポーツサイエンススクール」を開催しました。「飛び込め!スポーツサイエンスの海! 東海大学で最新の研究設備を使ってスポーツ科学を体験してみよう」をテーマに、中高生にスポーツ科学の魅力を体感してもらおうと初めて実施したものです。

当日は神奈川県内の中高生7名が参加。開校式でスクール長の内山秀一教授(体育学部学部長)が、挨拶とともに企画の趣旨を説明したあと、運動生理学、アスレティックトレーニング、スポーツバイオメカニクスの3セクションに分けて体験型講義を行いました。運動生理学では、体育学部の丹治史弥助教の指導のもと、低酸素トレーニングに関する講義を実施。15号館の運動生理学実験室に常設してある2基の低酸素テントを用いて、1基は低酸素環境に、もう1基を常酸素環境にした状態でそれぞれエアロバイクを5分間漕ぎ、どちらが低酸素環境のテントかを当てる実験を行いました。実験中には参加者同士で血中酸素濃度や心拍数などを計測し合い、生徒たちは、「普段、自転車に乗っているときはただ疲れたと感じるだけですが、数値が分かると、どれくらい疲れているのかなどもわかりやすく面白いと感じました」「同じ運動強度でも酸素濃度の違いでトレーニング効率が変わると実感できて楽しかった」と話していました。

トレーニングセンターで行ったアスレティックトレーニングの講義では、体育学部の笹木正悟准教授が、けがの予防と動的バランスについて説明。それぞれの動的バランスを計測するとともに、神経筋コントロールエクササイズを体験してもらいながら、故障予防につながるトレーニング方法を教えました。生徒たちは、「一つの動作でも体のさまざまな部位を使っていることがわかり、勉強になりました」「習ったトレーニングを日々実践して、自分なりに効果を測ってみたい」と意欲を語っていました。17号館1階にある「スポーツ&ヘルス・イノベーションプラザ」で行ったスポーツバイオメカニクスのセッションでは、最新の機能を備えた動作解析装置を使った研究を実施。地面からの反発力などを計測できるトレッドミル上を歩いたほか、モーションキャプチャーでフォームを解析してそれぞれのデータを分析し、「普通のカメラで撮影するだけではわからない細かな動作まで分かって驚いた」「高校でチアダンスに取り組んでいるので、自分のパフォーマンスを分析してみたい」と話していました。

修了式・閉校式では、、副スクール長の山田洋教授(スポーツ医科学研究所所長)が参加者一人ひとりに修了証を授与。実行委員長を務めた小河原慶太教授(体育学部)は、「体育学部と聞くと、アスリートが競技能力を向上させたり、コーチングを学んだりするイメージを抱く中高生が多いと思いますが、現代のスポーツ界を語る上では、スポーツ科学は欠かせません。本学の整った最新研究設備を活用し、中高生にスポーツ科学の魅力を知ってもらうことで、この分野の発展につなげていきたいと考えました」と語り、「当日は、大学院体育学研究科や学部生が補助に入り、実りのある時間になったと感じています」と振り返りました。また、「今回は、初回ということで安全面を考慮して参加者数を制限しましたが、内容を詳しく分析して、次回以降は少しずつ参加者を増やし、より多くの若い世代にスポーツサイエンスや本学の魅力が伝わる内容にしたい」と語っています。