政治学科で「新型コロナパンデミックと国際関係ワークショップ」を実施しました

政治経済学部政治学科では4月21日から6月2までの計5日間、「新型コロナパンデミックと国際関係ワークショップ」を実施しました。本学科の藤巻裕之准教授と語学教育センターの中川浩講師が主催する合同ゼミナールの一環で、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがもたらした国際社会の変動に関する講義と議論を通して、学生に新たな視点・思考を獲得してもらおうと企画したものです。3、4年次生のゼミ生約30名が履修し、5月12日と26日には教養学部国際学科の学生も授業に参加しました。

4月21日の初回は、藤巻准教授が「ゾンビ・パンデミックと国際関係論」をテーマに、「凶悪なゾンビ・ウイルスが蔓延した世界」と新型コロナ禍における民主主義国と権威主義国の対応を比較しながら、各国の主張や感染対策について講義し、ディスカッションしました。29日は中川講師が”Critical Thinking Skills”と題し、物事の考え方や社会の本質の捉え方といった思考の方法論について解説。5月12日は教養学部国際学科の和田龍太准教授が「東海大学で国際関係論を学ぶ」をテーマに、東海大学で国際関係論を学んできた経験を社会でどのように生かしてきたのか、後半ではコロナ禍における国際社会の変化を国際関係論の理論を用いて講義をしました。26日は国際学科の小山晶子准教授が”How I found my research topic?”と題して、英語圏やフランス語圏での生活で気づいたこと、また、新型コロナが移民の子どもの教育に与える影響などを通じて、現代社会のあり方について語りました。各回ともに講義後にディスカッションの時間を設け、学生たちはさまざまなテーマで議論し、思考を深めました。

最終回の6月2日では、本学科の西田竜也教授が「安全保障ワークショップ:台湾海峡危機」として、まず、東アジアの国際情勢と台湾問題について説明。その後、学生たちはグループに分かれて、将来生じうる危機に際して日本政府としてどのような政策をとるべきか自ら考えるワークショップに臨みました。学生たちは、グループ内で総理大臣、官房長官、外務大臣といった役割を決めて政策を話し合い、最後に各グループの代表者が総理大臣と官房長官共同の記者会見の形式でそれぞれのグループの政策を発表し、新聞記者役の学生からの質問に答えました。

藤巻准教授は、「学生たちは多くのことをインプットし、アウトプットする力を持っているので、新型コロナ禍を巡るさまざまな出来事をいかに“自分事”として考えられるかがカギになります。なぜならば、ポスト・コロナにおける国際秩序の変化は確実ですが、我々教員は考える材料を提示し、一緒に考えることしかできません。自らが所属する学科で学んだ知識だけでなく、いろいろな視点から学び、自らの考えを持ってほしい」と企画の意図を語ります。受講した学生からは、「短時間の話し合いでも、学び蓄えてきた知識で議論できることを実感しました。日頃からさまざまな事象にアンテナを張り、多くの知識を身につけたい」「昨年度からオンラインによる遠隔授業が多くなっているので、顔を合わせて意見をぶつけ合うことで学びが深まり、対面によるコミュニケーションの大切さを感じています」といった感想が聞かれました。