「ロボカップサッカープロジェクト」が自律型2足歩行サッカーロボットのプログラミングに挑戦しています

理学部情報数理学科の学生有志が中心となって活動している「ロボカップサッカープロジェクト」では、自律型2足歩行サッカーロボットの人工知能のプログラミングに挑戦しています。このロボットは、ラジコンのように人の操作によって動かすのではなく、「ボールを追う」「蹴る」「転んだら立ち上がる」など、すべての動きを自分で考え、判断して競技する人型ロボットです。同プロジェクトでは、「ロボカップジャパンオープン2010大阪」で4足歩行のロボット「アイボ」を使ったサッカー競技で優勝するなど、多くの実績をあげてきました。現在は、4年次生の鈴木昂之さんと髙橋優斗さん、前田亮さん、松田勇人さんの4名が、同学科の松本哲志准教授と学科担当の技術員の指導を受けながら、2足歩行のサッカーロボットのプログラミングに挑んでいます。

「最も難しいのは、フィールドの中でどの位置にいるかをロボットに正確に把握させること」と話すのはゴールキーパーのプログラミングを担当している髙橋さん。「実際の位置とロボットの認識には、どうしても誤差が生じてしまいます。それをできるだけ小さくする一方、誤差を想定した上で正しい位置を判断できるようにプログラムを組まなくてはなりません。試行錯誤の連続です」と真剣な表情で語ります。「失敗を重ねて成功させる過程が面白い」と笑顔を見せるのは鈴木さん。「完成したと思って試しても、予想外の動きをすることがほとんど。うまくいかないときにはショックを受けますが、何度もチャレンジして思いどおりに動かせたときは最高の気分です。それが、このプロジェクトの醍醐味です」と意欲的です。

メンバーは、サッカーロボットのプログラミングに挑戦する一方、さまざまな2足歩行ロボットの競技会にも出場しています。前田さんと松田さんは、5月28日と29日に西東京市の多摩六都科学館で開催された「ロボットアスリートCUP2016」に出場。松田さんは、2足歩行ロボットによる「自律ビーチフラッグ」競技で、見事優勝しました。この種目は、うつ伏せにしたロボットを合図とともに立って歩かせ、赤いフラッグを倒すまでの時間を競うもの。松田さんは、「フラッグの赤色を正しく判断させることが決め手。床や周囲の色や照明に惑わされないよう、青い板をフラッグの近くに置くことで、正確に赤を認識させるよう工夫しました」と勝因を分析します。前田さんは同競技での勝利を目指し、新たなプログラムを開発中。「11月に開催される次回大会に向けて、フラッグの色だけでなく、形を認識させる方法を考えています。これからも皆で一丸となって、より進化したプログラムを作成していきたい」と話していました。

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