材料科学科の小黒講師が第21回超伝導科学技術賞を受賞しました

工学部材料科学科の小黒英俊講師が、第21回超伝導科学技術賞を受賞しました。この賞は、超伝導科学技術の研究で卓越した業績を残した研究者を顕彰することを目的に一般社団法人未踏科学技術協会超伝導科学技術研究会が毎年授与しているもので、基礎研究で世界的にインパクトを与えた研究者や、応用研究においてマイルストーンとなる高度な技術進展に寄与した者に贈られます。4月17日に東京江戸川区の船堀タワーホールで開催された授与式で、賞状と記念の盾が授与されました。

小黒講師は、「25T無冷媒超伝導マグネットの開発」で、東北大学、古河電気工業、東芝とともに受賞しました。強力な磁力を持つ超伝導マグネットの研究は世界各国で行われており、これまでは液体ヘリウムを使って磁石を冷却する方法が広く用いられてきました。今回受賞した研究では、液体ヘリウムを使わず冷凍機のみで冷却し、世界最高の磁力である24.6T(テスラ)を実現。開発した超伝導マグネットはすでに東北大学に全国共同利用装置として設置されており、世界各国の研究者によって活用されています。

小黒講師は、「超強力な磁力の中で材料を合成すると、これまでにない新たな性質を持った材料を生み出せることが分かっています。実際、半導体分野ではより質の高い製品づくりに応用されており、今後もさまざまな新規材料の開発に生かせると期待しています。また、これまで磁場を使った研究の成果で約10件のノーベル賞受賞者が誕生しており、より強力な磁場を生み出せる環境が整ったことで、未知の物理現象の発見に貢献できる可能性があると期待しています。今回の受賞は、次のステップに向けた第一歩だと考えており、今後もより強力な磁力を生み出せるマグネットの研究を進めたい」と話しています。

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