ボーイング787型機を世界で初めて操縦した石井正之教授が航空操縦学専攻に着任しました

工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻に今年度から、全日本空輸株式会社(ANA)でパイロットを務めた石井正之教授が着任しました。石井教授は、1977年に入社。B727型機の航空機関士(フライト・エンジニア)から、B767型機やB777型機の機長として乗務。2000年にはアメリカ・ベイカーズフィールドにある同社のパイロット養成所に勤務し、技能審査員や教官として後進の育成にあたってきました。

その後、06年からは同社のB787型機導入プロジェクトリーダーとして、ボーイング社、アメリカ連邦航空局(FAA)そして日本の航空局と連携して、日本における同型機パイロット訓練審査システムを構築。10年5月にB787型機のテスト用初号機を世界のエアラインパイロットで初めて操縦したほか、7月には同型機初の日本へのフライトでも、機長として東京国際空港までの運航を担いました。その後、今年3月の退職までB787型機機長として活躍した経歴を持っています。

石井教授は、「パイロットに求められる能力は、本専攻が開設された10年前に比べても大きく変わりつつあります。操縦技術そのものを身につけることが主として重要視されていた時代から現在では基本的な操縦技術に加えチームマネジメントによって、より安全にお客様を目的地まで運ぶ能力が必要とされる時代に変わってきています。つまり現代のパイロットは、リーダーシップ、フォロワーシップに加え、チームワーク、コミュニケーション能力などのいわゆる人間力そして、きちんと自己を管理しながら自ら考え何をすべきかを見据える能力や、明るくポジティブに考えられる能力、与えられた訓練をより効果的に身につける能力が大切になってきています。しかし、こうした能力は心構えを変えることで身につくものでもあります。目的を達成するためには、一度決めた自分の道を切り開いていく強い意志が最も大事です。私自身も、パイロットを目指す皆さんが長く活躍するために欠かせない力を身につけられる教育を提供していけるよう、力を尽くしていきます。皆さん、一緒にチャレンジしましょう」と語っています。

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