学生が電子情報通信学会東京支部学生会奨励賞を受賞しました

3月5日に高輪キャンパスで開催された電子情報通信学会東京支部学生会の第21回研究発表会」で、情報通信学部通信ネットワーク工学科の織田桂史さん(3年次生)が優秀論文に選ばれ、学生奨励賞を受賞しました。

今回の研究発表会では、電子情報通信学会東京支部学生会に所属する大学生と大学院生から計207件の研究成果の発表がありました。その中から織田さんを含む20件の優秀論文が選ばれ、研究発表会後に開かれた懇親会の席上で、同学会東京支部長から表彰されました。発表者の多くは大学4年次生から大学院生で、織田さんの3年次生での受賞は快挙です。

織田さんが発表したのは、「空間光通信における再帰反射鏡を用いた光回線の形成に関する検討」です。これは、近年、注目されている光の空間伝搬による地上局と衛星や航空機、ヘリコプターなどの移動体との間で交わされる通信において、光回線形成のために地上局が発する強いビーコン光が安全性の観点から懸念されていることを受け、地上局からのビーコン光を不要とする手法を提案し、成立性を検討したものです。織田さんは、受けた光をそのまま光源にはね返すという光学上の反射機構を持つ再帰反射鏡(リトロリフレクター)を利用することにより、地上局から強いビーコン光を発することなく光回線を形成する手法を提案し、地上局周囲の安全性が向上することを示しました。また、この手法により、地上局の構成も簡略化が可能となり、将来の可搬化も促進できることを示しました。

織田さんは、「3年次生で受賞できたことは、たいへん光栄です。これからもさらに努力を続け、大学院に進んで実績を積みたい。受賞を励みに取り組んでいるテーマを掘り下げ、将来は社会に役立つ仕事をしたいと思います」と抱負を話しています。

また、当日は佐野杏さん(同)も「散乱光を利用した光の伝搬方向の計測に関する検討」をテーマに発表しました。2名を指導する高山佳久教授は、「織田さんも佐野さんも3年次生ながら日ごろの努力の成果を見事に披露してくれました。ともに緊張した様子で発表に臨みましたが、発表後の質疑では研究成果を評価する意見や課題などのアドバイスをいただき、今後の研究に向けて貴重な経験になったと思います。このように、興味や関心を持って自発的に取り組むと、良い成果が出るものです。多くの後輩たちに、彼らに続いてほしいと思います」と話しています。

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