教育研究上の目的・人材像

教育目標と教育方針

コンピュータの応用技術は、社会、環境、産業システムなどいろいろな分野において根幹をなす重要な技術であり、いまやコンピュータなしでは考えられない時代である。このような状況において、本学科では「コンピュータ」を21世紀における最強、最大の「手段」ととらえ、これからの高度情報化社会、高福祉化社会の技術的基盤として必要とされている、コンピュータの高度な応用に関する学際的な学問・技術を掌握できる人材を育成することを目標とする。

コンピュータ応用工学はコンピュータとそれに組み合わせるあらゆる対象との融合したシステムに関するものである。したがってコンピュータによる情報処理や制御をおこなうためのソフトウェアだけでなく、対象システムに関するハードウェア技術も重要になる。本学科では対象システムを広く「ロボット」、「乗り物」、「知能情報システム」の各分野から取り上げる。これら対象をコンピュータで管理・制御するには、その性質、特性、構造などに関する基礎知識・技術が必要である。そのため、本学科では機械や電気というような従来の分野にとらわれない学際的領域としての広範な分野について学修できるようカリキュラムを構成している。そして、コンピュータのソフトウェアやハードウェアにとどまらない、人類の発展と福祉に役に立つコンピュータ応用技術を、創造的設計やシステム開発の演習と具体的な実験を通して教育する。

本学科が養成しようとする人材

本学科は、「実社会における機器やシステムへコンピュータを高度に応用するための知識と技術を有し、社会に貢献できる人材」を育成する。そのために、以下にあげる素養を身につけることを目指して教育する。

  1. 1.コンピュータと電子システム技術の発展に適応できる基礎知識を持つ。
  2. 2.コンピュータのハードウェアとソフトウェアの技術をバランスよく備える。
  3. 3.コンピュータが取り扱う幅広い分野に関する興味と知識を持つ。
  4. 4.コンピュータと人間・環境とのよりよい関係を創り出す独創性と実現能力を備える。

その上で、以下にあげる専門的な知識と技術を身につけられるよう、カリキュラムを構成している。

  1. 1.ロボットに代表される知能化機械の構造や動作原理を理解する力。
  2. 2.電気自動車などの乗り物の動作原理や駆動装置の原理を理解する力。
  3. 3.コンピュータの構造や原理、および情報処理技術を理解する力。

カリキュラムの特徴

本学科のカリキュラムは上記のような教育方針と人材養成目標にもとづき、以下のような特徴を持たせている。

1.コンピュータの原理と利用技術の習得

コンピュータを道具として使う技術を早期に習得するためにリテラシー教育としての「コンピュータ演習」「マルチメディア演習」をおいている。さらに、「基礎コンピュータ工学」、「プログラミング・同演習」でコンピュータの基礎原理・技術を学習し、さらに、「マイクロコンピュータ」ではハードウェア応用技術を学習する。

2.応用ソフトウェア技術の習得

現代の高度に進化したソフトウェア技術に対応するため、「画像処理」、「コンピュータ情報処理」、「コンピュータグラフィックス」、「高機能プログラミング」、「マルチメディアプログラミング」などの科目でソフトウェア応用技術を学習する。

3.創造性開発と実験実習科目の配置

初年次の「創造工学演習」においてはコンピュータによる自律マシンの設計製作をおこない、創造的な思考・能力の開発を意識づける。また、引き続き「メカトロニクス実験」、「電気電子基礎実験」ではコンピュータ応用システムの原理を実験で体験して学習する。さらに、「コンピュータ応用実験1、2」ではより高度な応用システムを取り扱う。その上で「システム開発演習」では各自の興味あるテーマに関する応用システムを深く取り扱い、システム開発の難しさや面白さを実感する。

4.自然科学科目と専門科目についての基礎知識の習得

今後のIT技術の急速な発展にも対応し、技術者として広く活躍できるように数学や物理学など自然科学科目と、「電気磁気学」、「電気回路」、「電子回路」などの専門基礎科目を充実させている。

5.学科共通基盤となるコンピュータ・制御技術の習得

共通基盤技術である「センサ工学」、「基礎制御理論」、「コンピュータ制御」を学びながら、ロボティクス、乗り物、知能情報システム各分野の配置科目を効果的に習得することができる。

ロボティクス技術の習得

近年急速に発展し、身近に利用されるようになったロボットに関連する技術を習得するため、「基礎ロボット工学」、「ロボット設計学」、「先端ロボット工学」などを用意している。また、「ロボット工学演習」では初年次の「創造工学演習」の発展形としてロボット製作のグループワークを行う。

7.乗り物関連技術の習得

現在、電気自動車などの乗り物はコンピュータで高度に制御されている。そこで、「電気自動車工学」、「電動機制御工学」、「先端車両制御工学」などを配置し、乗り物へのコンピュータの高度な応用技術を学べるようにしている。

8.知能情報システム関連技術の習得

ヒトの高度な情報処理能力の原理を解明してコンピュータシステムに応用することが期待されている。そこで、「神経信号処理」、「人工知能」、「脳科学」、「知能情報処理」などの科目を配置している。

9.ゼミナール、卒業研究の充実

初年次の「コンピュータ応用工学入門ゼミナール」では大学での学修や生活に早く慣れるため、少人数のグループワークを行う。3年次の「コンピュータ応用ゼミナール」では、問題を発見し解決する能力を育成し、学部3年間の学習成果を4年次の卒業研究に集約していく。「卒業研究1、2」では1年間を通して、研究計画の立案、理論体系の構築、実験の実施、まとめといった一連の研究プロセスを体験する。この体験が技術者として将来の基盤となると言える。また、卒業研究と平行して行われる「プロジェクトゼミナール1、2」では卒業研究を補足すると共に、資格取得や就職活動が有利に展開できるようにゼミ教員が指導する。

10.国際化および文理融合に対応

技術者として英語コミュニケーション能力をたかめるための「科学英語」、「テクニカルプレゼンテーション」を用意する。さらに、「科学と倫理」、「知的財産権法」など現代の技術者として必須の専門的な教養科目も配置した。

11.工業教員免許取得、各種資格取得の準備

本学科において所定の単位を取得することにより、工業高校教員の免許が取得できる。また、基本情報処理技術者、ITパスポート、工業検定などの資格取得の対応準備を可能としている。

コンピュータ応用工学科へ戻る