シンポジウム「『インバウンド6000万人時代に向けた提言』~産官学が果たす役割と課題~」を開催しました

観光学部では11月10日に代々木キャンパスで、シンポジウム「『インバウンド6000万人時代に向けた提言』~産官学が果たす役割と課題~」を開催しました。2030年までに6000万人の外国人旅行者を受け入れる政府目標を実現するために、産官学のそれぞれが果たすべき役割やその方策を考える機会として、学園の建学75周年記念事業の一環で実施したものです。当日は専門家や企業の担当者、学生ら約300名が参加しました。

開会にあたって、本学の山田清志学長と観光庁の田村明比古長官があいさつ。続いて、初代観光庁長官の本保芳明氏が講演しました。本保氏は、アジアの旅行者増を受けて日本への旅行者が増えている現状や2017年現在で国外からの観光客が4000万人を超えているのはフランスやアメリカ、中国など5カ国しかないといった状況について説明。日本への旅行についてはリピーターが増えており、地方に分散する傾向が高まっているとしたうえで、さらに旅行者を増加させるために、「観光先進国になるためには、国民全体でその方策を考えていく必要がある。また、産業も学問的な研究も、官の取り組みもすべてが一流になり、世界のリーダーになることも求められる」と提言しました。

続いて行われたパネルディスカッションでは、観光学部の岩橋伸行学部長がコーディネーターを務め、デービッド・アトキンソン氏(株式会社小西美術工藝社代表取締役社長)と、岡田晃氏(株式会社ANA総合研究所代表取締役社長)、澤功氏(旅館「澤の屋」館主)、廻洋子氏(敬愛大学国際学部教授)、観光学部の藤本祐司教授が登壇。将来の日本の文化発信のありかたや外国人旅行者に好まれる旅館づくり、空港発着枠拡大の必要性、客船による訪日クルーズの現状と課題、観光産業をさらに高度化するための方策などについて意見を交換しました。

参加者からは、「人はなかなか自分の住んでいる地域の魅力に気が付かない面があるが、今日の議論を通じて、日本の良さをより効果的に発信していくことの重要性を実感しました」「外国人旅行者を増やすためには、日本人の海外渡航者も増やし、日本人と海外の人が接する機会や自国の文化をより客観的に認識する機会を増やす必要があることをあらためて感じました」「6000万人という目標を実現するためには、社会インフラや各地域の受け入れ態勢の整備などが必要だと学べました。観光学部には、そうした課題を解決できる人材をぜひ育成してほしい」といった感想が聞かれました。

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