大学院工学研究科の岡田さんと降旗さんが日本銅学会で研究成果を発表しました

大学院工学研究科応用理化学専攻1年次生の降旗恭平さんと工学部材料科学科4年次生の岡田博樹さんが、11月17日から19日まで富山県で開催された日本銅学会第57回講演会で研究成果を発表しました。

降旗さんは、株式会社キッツメタルワークスと共同で取り組んでいる「鉛フリー黄銅」のはんだ接合時の特性に関する研究成果を発表しました。環境負荷に対する基準が世界的に厳しくなっている中、合金中に鉛を含まない「鉛フリー黄銅」はさまざまな分野で活用されている一方、従来の黄銅とのはんだ特性の違いについては未解明の部分が大きいのが現状です。そこで降旗さんは、X線CTを使って接合時の加熱方法や黄銅の組成によって接合特性がどのように変わるかを研究。特に、接合場所の内部に生じる気泡(ボイド)のでき方の違いを調べた成果を発表しました。一方岡田さんは、銅合金をろう付する際、接合部の内部で加熱開始時から終了時までの間で生じる変化について、X線CTを使って時系列で観察する手法を研究。連続写真を撮影し、接合面の形状の違いがボイド形成に与える影響などを調べた結果を発表しました。

降旗さんは、「研究室での発表と違い、学会には幅広い分野の研究者が参加するので、わかりやすく研究の特徴を伝える必要があることを知り、さらに勉強しなければならないポイントも明らかになりました。材料科学科は、金属を中心にさまざまな材料の特性の調べ方や社会に応用するために必要な考え方を学べる場所だと感じています。また企業との共同研究を通して、インターンシップに行くよりもさらに深く企業の製造現場や考え方を学ぶ機会があるのも魅力です」と話しています。また岡田さんは、「学部の4年次生の段階で学会発表を経験する貴重な機会になりました。学部卒業後は大学院に進学する予定なので、今回の発表で見つかった課題を解決しながらさらに研究を深めたい」と話しています。

日本銅学会_525.jpg